スペイン語の絵本(ラテンアメリカやスペインの絵本)と日本語の絵本についてと、日常のあれこれをつづります。
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いっぽんのせんとマヌエル チリの絵本

いっぽんのせんとマヌエル

 

タイトル:いっぽんのせんとマヌエル

文:マリア・ホセ・フェラーダ(María José Ferrada)

絵:パトリシオ・メナ(Patricio Mena

発行年:2017年 

出版社:偕成社

 

チリの絵本の翻訳を担当させていただきました。ゆっくり、じっくり時間をかけて、チリ在住の作家さんとスペイン在住の画家さんと、日本在住の編集者の方とチームになって、監修の先生のご指導のもとで、ピクトグラムの日本語バージョンを修正したり、新しく追加したりしました。一緒に本づくりに携われてとても幸せです。

 

そしてチリの絵本作家マリア・ホセさんと画家のパトリシオさんの来日プロモーションが決まりました!!

イベントのお申込みはこちらから!

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

Los autores chilenos, María José Ferrada y Patricio Mena vendrán al Japón para presentar la promoción del libro!

 

  • 概要
マヌエルは、線が大すきなおとこの子です。線を通して、マヌエルは自分の世界を認識します。町にはたくさんの線があって、線をたどって学校へはいったり、川をわたったり、窓から外を見たりします。独自の方法で、自分の周りにあるものを見つけていく自閉症の男の子マヌエルの1日をシンプルに描いた絵本です。

 

 

著者が「線」が好きな自閉症の男の子マヌエルくんと知り合ったことによって生まれた絵本。いっぽんの線が基調になって、短い言葉とシンプルでかわいいイラストにより、ストーリーが進行していきます。日本版には、文字やお話の内容の理解の助けとなる「ピクトグラム(言葉を絵で表現した絵文字)」がついています。ピクトグラムは絵本のイラストレーター自身によるものです。コミュニケーションが難しい自閉症の子は、すきなものをとおして、まわりから受けとる情報を整えたりすることもあります。日本の裏がわチリからやってきた作品。さまざまな子どもたちに、楽しんでいただきたい絵本です。

 

■本の特徴

・ シンプルなストーリーであること。

・ ピクトグラムが、絵本の画家自身の絵によるために、絵本の絵とうまく融合していること。

・ 違った視点でも楽しめることで、全ての子どもたちが楽しめる絵本になっていること。

 

 

本の成り立ち (マヌエルの母親のブログから)

『いっぽんのせんとマヌエル』 が出版されるまでの間、早期療育センターに通うこの本の主人公と子どもたちは、本作りの様々な過程でこの本に関わることができました。そして作家のマリア・ホセ・フェラーダと、画家のパトリシオ・メナに、自閉症の子たちのテキストや絵の理解度について情報を提供し、読者対象に関わる人々の厳しい意見を加えながら試行錯誤を重ねてきました。 ストーリーは、マヌエルの特別な関心である“線”が話の筋となり、彼の特別な視界で日常が成り立っています。線は私を含め、様々な中心部を通っていきます。指で線をたどってお話を見るのは、彼らにとっては自然なことですが、こうした本を見るのは初めてのことです。 線に魅了される子は、マヌエルだけではありません。線をたどることは視覚目的をたどることであり、自閉症の人々の楽しみや遊びの中で生まれる感覚を認識する基本でもあるのです。視覚による遊びは様々な治療法に取り入れられており、今回、線はお話を読むことができるようになるための鍵になっています。 

 

 

■作家 マリア・ホセ・フェラーダ によるエッセイ

チリの非営利組織 児童文学読書推進センター “FUNDACION LA FUENTE” 掲載記事

お話に関する権利について

 

マヌエルは自閉症の男の子です。彼の母親であるオルガは本が大好きで、いつもマヌエルにお話を読み聞かせしてあげたいと思っていました。そんなある日のこと、オルガはカランドラカ社のマカキーニョシリーズ(Makakiño)の存在を知ったのです。このシリーズは、特別な教育を必要とする子どもたちのために考えられた絵本です。オルガは言います。「この本は、私がお話を読むのを楽しむように、どんな子もお話として楽しめるようにつくられています。それは誰にでも権利があるという意味でもあると思うのです」

 

私は知的障害を持つ子どものための本作りを学ぶために、奨学金を得てスペインへ行きました。ことの始まりは、それ以前にバルセロナで数年間学んでいた時のことが関係しています。当時、スペインに滞在していた時、いくつか掛け持ちで仕事をしていたのですが、その一つが障害者施設で子どもたちの世話をする仕事でした。その施設は、さまざまな知的障害を持つ子どもたちが暮らす場でした。子どもたちの中には、一言も話すことができない子や、地下鉄の駅や犬や時計の音などに固執する子もいました。私は子どもたちにトイレの世話をしたり、歯を磨いたり、映画を観に連れて行ったり、公園に散歩へ連れて行ったりしました。

 

この施設についた初日、私はもうここへは来ないだろうと思いました。私にはダウン症の叔父がいます。彼のことは大好きですし、彼と話すととても楽しいのですが、それとこれとは別の問題でした。私が直面したのは、社会の周縁の現実といったものでした。1人でトイレにいけない。食べものをこぼさずに食事ができない。道を歩いたり、起きていることを説明したりといった些細なことができない。

 

これについて思うところがあり、私はもう一度施設へ足を運びました。それから、もう一度、もう一度と続いて通うようになり、結局、チリに帰国するまでこの施設で働きました。今思い出すのは、仕事であった以上に、この世界で尊厳ある暮らしをおくれるように、お互いにとって必要なこととは何かを多く学びました。このテーマについてさらに理解を深めたかったので、できるだけ多くの人と話しをしてきました。先生、編集者、イラストレーターの方々。けれど、何より私が関心を寄せられたのは、ある動画での母と子の会話でした。その動画に、私は一気に引き込まれました。 それは母親と息子が、カランドラカ社のマカキーニョシリーズの絵本でピクトグラム版の『おしゃれなネズミちゃん』を読んでいる場面でした。男の子の名前はマヌエルです。2年前、自閉症と診断されました。母親の名前はオルガ・ラリン。彼女は「山のように高い、高い(Alto, alto como una montaña)」というブログを書いています。このタイトルは、マヌエルが公園の遊具で高いものを表す時に使うフレーズです。マヌエルは、カランドラカ社の同シリーズにある、ピクトグラム版の他の絵本で描かれているメタファーを使っていたのです。

 

マヌエルの様々な分野での上達はとても印象的でした。彼のような診断を受けた人々について、私たちは少しでも彼らについて知ることができ、そして、彼らには達成できることがたくさんあるのだということが分かったのです。私は母親のオルガと喫茶店で会って話をしました。彼女は勇気ある寛容な素晴らしい女性です。彼女は涙ながらに語ってくれました。自閉症という診断は、受け入れ難いものとは相反するものだということを。― 子どもに対して抱いていた夢の数々や、たくさんの扉が閉ざされてしまう ― それは恐怖。大変な困難。この難事に取り組むことは不可能…。本が大好きなオルガは、自分の子どもに本を読み聞かせすることを夢見てきました。けれど、それは決して叶わないことだと思っていたのです。

 

診断から2年、そこには絵本『おしゃれなネズミちゃん』を読む母であるオルガとマヌエルの姿がありました。オルガは語ってくれました。「扉が閉まれば、別の扉が開かれる。今、私には、マヌエルや同じ環境下の子どもたちに対しての責務があると思っています。」 そして、オルガはマヌエルのセラピストと一緒にブログを開始しました。ブログでは、マヌエルに関する日常、言葉への関心など、彼女はたくさんのことを語っています。閉ざされたと思っていた世界に、忍耐と努力と愛情があれば、その世界へ到達することができるのです。マヌエルについて語っているのは、小さな進展の積み重ねの一部です。けれど自閉症の子やその家族にとっては測り知れない進歩なのです。

 

その頃、私は子どものためのお話しを書いていました。今まで、子どもたちが決して読んだことのないお話を作りました。私の書いた詩や言葉には、自閉症や小児麻痺で非常に困難な状況にある人たちへ向けたものもあります。また、お話しを読むことについても、私はずっと考えてきました。今でも、これについて考えています。単純に楽しむ目的でお話を楽しむことは、尊厳に関わることでもあるのです。あの子たち、つまり福祉施設の子どもたちに、私は多くの恩があると思っています。

 

オルガは私に話してくれました。「喫茶店にいった時など、本はマヌエルの注意を引きつけるのにも役立っています。本を読むと、物語に集中しています。それがどんなに意味のあることか。さらに本は、彼を取りまく世界の認識を広めるためでもあります。けれど何よりもまず、私が本を楽しむように、どんな子もお話を楽しむように、彼にも楽しんでもらえたらと思うのです。なぜなら、それはすべての人々にある権利のようなものだと思うのです。」

 

マヌエルは、地元ではみんなから知られています。オルガは、自分の話をブログで伝えてきました。当初、自閉症の子どもは他にいないと思っていたのですが、他にもいることが分かりました。自閉症の子たちの親が彼女のブログに訪問し、彼女の話を知ることで、寄り添ってもらえる気持ちになれるのです。彼女のブログは誠実な語りで、そうあるべきだということを探すものではなく、自閉症と身近に暮らすということが書かれています。 最後に喫茶店で、私たちにはお互いにやるべきことがたくさんあるという話で終わりました。自閉症について知ること、そして彼らに通じる読書というものについて。今はまだ、はじまったばかりです。マヌエルや他の子どもたちのために、するべきことはたくさんあります。もちろん私たちにとっても、自分たちの世界に様々な人がとけこんでいくにつれて、本当に豊かな世界になっていくのです。次の土曜日、私はマヌエルに会いにいきます。5つの言葉以内で書かれたお話を持っていく約束をしています。それは、もうすぐ始まる春についてのお話。

 

 

■作者について:

文:マリア・ホセ・フェラーダ 1977年、チリのテムコ生まれ。ジャーナリスト、作家。子ども向けの本を多く手がけ、作品はさまざまな国で出版されている。日本と日本文学が大好きで、スペインのバルセロナ大学アジア太平洋研究科修士課程を修了、源氏物語のスペイン語翻訳に関する論文を執筆した。チリ言語アカデミー賞、オリウエラ市子どものための詩賞など受賞歴多数。チリ軍事政権下で連れ去られ行方不明になった子どもたちへ捧げた本『こどもたち』は、2016年の国際児童図書評議会(IBBY)オナーリスト(文学作品部門)にも選ばれている。『いっぽんのせんとマヌエル』は、初めての邦訳本である。

 

絵:パトリシオ・メナ 1980年生まれ。絵本作家、イラストレーター、漫画家。チリで生まれ育ち、現在はスペインのバルセロナで暮らしながら執筆やイラストの仕事を手がける。チリで出版した本は作、または絵のいずれかのみだったが、最近は作・絵ともに手がけたものもある。作品はアメリカ、メキシコ、中国などで出版されている。チリ政府クリエイティブ奨学金を二度受賞、イタリアのボローニャブックフェアではチリ公式代表団にも選出。最近はバルセロナの図書館をめぐりながら新たな絵本プロジェクトを準備中。

 

 

 

 

マヌエルチラシマヌエルチラシ裏

 

 

 

 

 

 

| 06:46 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『いっぽんのせんとマヌエル』出版記念交流会のお知らせ

チリ発の絵本『いっぽんのせんとマヌエル』(8月下旬発売予定)の刊行を記念して、著者マリア・ホセ・フェラーダさんと、画家パトリシオ・メナさんのウェルカムパーティが開催されます。

 

この絵本は、著者のマリアさんが、「線」が好きな自閉症の男の子マヌエルくんと知り合ったことによって生まれた絵本です。日本版には、文字やお話の内容の理解の助けとなる「ピクトグラム(言葉を絵で表現した絵文字)」がついています。

 

どなたでも参加できますので、お気軽にお問合せください。

 

 マリアホセさん写真  

 

日時: 2017 年 9 月 4 日(月) 
18:30−20:30 (開場 18:00) 
場所: 川崎汽船株式会社 15 階 KLINE CAFÉ 
東京都千代田区内幸町 2-1-1 
会費: お一人様 4,000 円 
※記念品として本がつきます。

 

お問い合わせ先:
日本チリ協会 事務局
andes@krc.biglobe.ne.jp

| 15:54 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『トマスはどこ?』ペルー人作家ミカエラ・チリフの絵本

トマスはどこ?  トマスはどこ?No.2 

 

 

タイトル: トマスは、どこ?(¿Dónde está Tomás?

出版社:エカレ・スール社(Ediciones Ekare Sur

出版念:2016年

文 : ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif 

絵:レイレ・サラベリア (Leire Salaberria)

対象年齢:3 才〜

 

 概要(出版社ブログから)

トマスは、かくれんぼが だいすき。「トマスはどこ?」 ママが家のなかを あちこちさがしているあいだ、トマスははるか遠い世界へイマジネーションの旅をしています。かいじゅうのおもちゃは、火山の噴火の中でかいじゅうたちを眺める台地へトマスを連れていき、ユニコーンのおもちゃとゴリラの時計は、ユニコーンに乗りゴリラたちのいるジャングルへ、バケツは月旅行へ向かう宇宙飛行士のヘルメットに、鳥の絵のシャワーカーテンは南の島へ向かう鳥の群れとなり、さいごはなんとベッドカバーにいたたジャガーとおしゃべりを楽しんで…。

 

「トマスはどこ?」と繰り返されるたびにトーマスが体験するイマジネーションの旅は、レイレ・サラべリアの色鮮やかな見事なイラストで描かれています。彼女のイラストは身の回りにある身近なモノに親しみを湧かせるだけでなく、冒険の旅の楽しさも読者に伝えてくれます。

 

 

この絵本は、子どもたちにとって想像の船に乗ってトマスと旅する遊びの絵本でありながらも、大人たちもまたこの絵本の凝ったしくみに驚かずにはいられないでしょう。現実と想像の世界を行き来し、かくれんぼから始まるちょっとした目配せからダイナミックな遊びへ繋がっていきます。夢と現実が入り交じる(日常と非日常が融合する)『魔術的リアリズムMagishcer Realismus』の魅力に触れる作品です。

 

 

 

 

あらすじ

トマスは、かくれんぼが だいすき。いたずらっこのトマスのかくれ場所は台所、洗濯場、トイレ、ベッドの中、おもちゃ箱・・・。ママが家中をあちこち探しまわっている間、トマスは想像の旅の真っ最中。大昔の火山の噴火をながめたり、ゴリラがくらすジャングルでユニコーンの背にのったり、宇宙飛行士になって宇宙を旅したり、南の島の空をとんだり、ジャガーとおしゃべりしたり・・・。

 

こんがりケーキが焼けた頃、とうとうママはおもちゃ箱の中にいたトマスを見つけました。トマスは身の回りにあるものにインスピレーションを受けてイマジネーションの旅をしていたのです。 ところが、夢を見ていたのは、どうやらトマスだけではなかったみたい・・・。

 

 

 

 

■ 作者について

文:ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif)

ペルー、リマ生まれ。詩人、絵本作家。子どもに関する文化プロジェクトのコーディネーターとして、ウェブサイトから書籍選集に至るまでさまざまなメディアで活躍。大人向けの詩集も出版している。

 

主な作品

詩集

2001年 『帰路で(De vuelta)』

2008年 『ありふれた空』

2012年 『枕に頭をのせて(Sobre mi almohada una cabeza)』

 

絵本

2008年 『アントニオさんとアホウドリ(Don Antonio y el albatros』ホセ・ワタナベ氏との共著

2008年 『おやすみなさい、マルティーナ(Buenas noches, Martina)』ホワイトレイブン選定

2010年 『ことばのかたちについて(En forma de palabras)』

2011年 『かるわざし(El contorsionista)』

2013年 『あさごはん(Desayuno)』ホワイトレイブン選定、ブラジルで翻訳出版される

2013年 『いいこにして、マストドン!(Ma's te vale mastodonte)』

第17回絵本コンクールで、「風の岸辺賞(A la orilla del viento)」受賞作品

 

絵:レイレ・サラベリア (LEIRE SALABERRIA)
1983年、スペインのアンドアイン生まれ。ビルバオの大学で美術を専攻、その後バルセロナの大学院で児童向けイラストレーションとグラフィックデザインを学ぶ。2012年ボローニャブックフェア入選、2013、2014年 イベロアメリカ・イラストカタログ入選、2014年 シャルジャ国際ブックフェア特別賞受賞。彼女の絵本はスペインをはじめメキシコ、イタリア等で出版されている。

 


  • おはなしのいちぶ

 

トマスは、かくれんぼが だいすき。

 

 

さて、どこにかくれたかな?

 

 

 

 

ママが、トマスをさがしています。

 

「トマス!トマス!」

 

 

 

 

でも、トマスには、きこえません。

 

だって、火をふく山がみえるから!

 

 

 

 

。。。

 

 

 

トマスったら、とおくへ いってしまったの?

 

 

 

ええ!トマスはとおいとおいところにいました。

 

月のまわりを、ふわふわうかんでいます。 

 

 

 

 

| 17:54 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『おはなと おはなを くっつけて』 ーアルゼンチンの絵本ー

おはなとおはなをくっつけて

 

■    原書の情報

 

タイトル:おはなとおはなをくっつけて(Trompa con trompita)

 

文: ホルヘ・ルハン 絵:マンダナ・サダト

 

発行年:2016年 

 

出版社:Capital Intelectual 社(アルゼンチンの出版社)

 

スペイン語版の他、英語の翻訳出版も刊行されています。

 

 

 

■    概要

詩人ホルヘ・ルハンと画家マンダナ・サダトの素晴らしいコンビが手掛けた幼児向けの詩の絵本。おかあさんとこどもをテーマに、いろいろな動物が登場し、優しさと遊び心に富んだ素敵な世界を紹介しています。

 

 

■   作者について

 

ホルヘ・ルハン(Jorge Lujan)

 

作家、詩人、ミュージシャン。アルゼンチン・コルドバ生まれ。コルドバ大学建築学科を卒業。現在は、家族とともにメキシコシティーで暮らしている。世界の画家たちと絵本作りのワークショップを行い、その著作は世界中で刊行されている。1995年、アルゼンチン児童図書評議会(ALIJA)の「子どものための詩賞(el Premio de Poesia para Ninos)を受賞。2005年には、本書で、絵のマンダナ・サダトとともにメキシコ出版産業会議所の「編集芸術賞(el Premio al Arte Editorial)」を受賞した。

 

邦訳作品

 

2009年 『ふゆのゆうがた』 講談社(作:ホルヘ・ルハン、絵:マンダナ・サダト)

 

2014年『エステバンとカブトムシ 』 BL出版 (作:ホルヘ・ルハン、絵:キアラ・カッレル)

 

2016年『わんわんスリッパ 』 ワールドライブラリー (詩:ホルヘ・ルハン、絵:イソル)


 

 

■  画家マンダナ・サダト(Mandana・Sadat

 

http://www.mandana.fr/

 

絵本作家。イラン人の父親とベルギー人の母親との間にブリュッセルで生まれる。1996年ボローニャ国際絵本原画展で入選、クレティアンド・ド・トロワ賞を受賞。国際的に高い評価を得る。現在はパリに住み、絵本作家、イラストレーターとして活躍。

 

 

 

邦訳作品

 

2009年 『ふゆのゆうがた』 講談社(作:ホルヘ・ルハン、絵:マンダナ・サダト)

 

2010年 『ぼくのライオン』 新教出版

 

 

■ おはなしのいちぶ

 

おはなと おはなを くっつけて

 

アザラシのおかあさんと あかちゃん、

 

これが いちばん あったかい

 

もうふも いらないよ。


 

 

ママの め のなかに、ぼくがいる

 

ちっちゃな ぼくが みえる。

 

だから、ママは ぼくのこと

 

チビちゃん…ふくろうチビちゃんって よぶんだね。


 

 

サバンナの ゆうがた

 

ゾウのおかあさんが パオーンってなくと、

 

ゾウのあかちゃんが タンタンはしって かえってくる

 

おはなと

 

おはなを

 

くっつけて

 

ゾウのおかあさんと あかちゃん。

 

 

| 16:10 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
くさりにつながれたゾウ 〜スペインの絵本〜

el elefante encadenado

■ 原書の情報

タイトル:くさりにつながれたゾウ(EL ELEFANTE ENCADENADO

文:ホルヘ・ブカイ (JORGE BUCAY) / 絵:グスティ(GUSTI)

出版社:SERRES社/スペインの出版社 (メキシコでも出版されている。)

 

2010年、IBBYスペインのイラスト部門での優良図に選定

 

■ 本書について

あきらめない気持ちを持つ大切さを問うおはなし。

 

■ 概要

「どうしてゾウのようにおおきな動物が、サーカスがおわると、ちっぽけなくいに つながれたままでいるの?」 男の子の疑問に、答えられる人は誰もいません。ところがある日、賢者が答えを見つけてくれます。サーカスのゾウがにげないのは、小さな頃からずっとくさりにつながれていたからだ、と。

 

男の子は気づきます。サーカスでみた おおきなちからづよいゾウが、どうして、くさりにつながれたままでいるのか。それは、杭につながれたまま、もう けっして自由になれないって、自分で決めつけてしまったからなのだと。どうせできっこない、そんな失敗した記憶をひきずって、自分の力を決して試そうとしなかったんだと。

 

男の子は、夢の中で、そっとゾウに近づいて、耳元でささやきます。「ねえ、しってる?きみはぼくにそっくりだよ。じぶんはできないことがたくさんあるっておもってるでしょ。でもね、ずっとまえ、たった1かいできなかっただけ。あれからずいぶんじかんは たったんだよ。もう、きみはおおきくなって、むかしよりずっとちからもちなんだ。ほんとうに自由になりたかったら、できるんだ。ほんとうさ。なぜ、やってみようとしないんだい?」

 

 

アルゼンチン出身のベストセラー作家とスペイン在住のアルゼンチンイラストレーターのコンビの作品。

 

 

■ 作者について

ホルヘ・ブカイ
1949年アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。医師精神病理学)、ゲシュタルト・セラピスト、心理療法劇作家。ゲシュタルト療法を基にした独自のセラピーを展開し、講演やセミナーを開催するなど国内外で幅広く活動。その著作はスペイン語圏で大ベストセラーとなり、各国語に翻訳されている 

 

邦訳作品

2005年 『寓話セラピー―目からウロコの51話 』めるくまーる

 

2009年 『御者エル・コチェーロ ― 人生の知恵をめぐるライブ対話』新曜社 共著

 

グスティ

1963年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。スペイン及びラテンアメリカ諸国の第一線で活躍するイラストレーター兼絵本作家。彼の作品は20カ国以上の国で出版され、BIB金のりんご賞、スペイン国民イラスト賞、ミュンヘン国際児童図書館の優良図書推薦リストやIBBY障害児図書資料センター推薦図書リストに選出されるなど国際評価も高い。また、南米アマゾンの先住民と生活を共にしたり、オウギワシの生態調査や、絶滅危惧種であるスペインオオヤマネコの保護プロジェクトに関わる等、さまざまな活動にも参加している。バルセロナ在住。

 

邦訳作品

『なかよくなんかならないよ』文出版局2000年4月

文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ

 

こいぬのテントシリーズ(文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ)

『テントとおともだち』ポプラ社 2002年2月

『テントのちいさなはな』ポプラ社 2002年2月

『テントはあかちゃんじゃないよ』ポプラ社 2002年5月

『テントとまねっこおばけ』ポプラ社 2002年5月

『テントがとってもこわいもの』ポプラ社 2002年6月

『テントのガールフレンド』ポプラ社 2002年6月

 

『ハエくん』(作、絵:グスティ)フレーベル館 2007年

『はらぺこライオン エルネスト』 ワールドライブラリー 2016年

 

 

 おはなしのいちぶ

 

ちいさかったころ、

 

ぼくは サーカスのまほうの せかいが

 

だいすきだった。

 

まちからまちへ、サーカスのいちだんが たびをする。

 

わくわくしながら、ぼくはどうぶつにちかづいた。

 

すこしでも、ちかくで みていたかったから。

 

 

なかでも、ゾウのショーは

 

ぼくの いちばんの おきにいりだった。

 

・・・・・・・

 

サーカスのゾウがにげないのは、

 

とっても ちいさなときから、

 

ずっと くさりに つながれていたからなんだ。

 

・・・

 

「ねえ、しってる?きみは ぼくに そっくりだよ。

 

じぶんは できないことが たくさんあるって おもってるでしょ。

 

でもね、ずっとまえ、たった1かい できなかっただけ。

 

 

 

| 09:16 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『ペルー日系詩人ホセ・ワタナベ詩集』の訳詩集を出版しました。

ホセ・ワタナベ詩集

 

タイトル:ペルー日系詩人ホセ・ワタナベ詩集

出版社:土曜美術出版販売株式会社

出版年:2016

著者:ホセ・ワタナベ

共編訳:細野豊、星野由美

 

この度『ペルー日系詩人ホセ・ワタナベ詩集(土曜美術社出版販売株式会社 刊、細野豊、星野由美 共編訳)』を出版しました。この詩選集を日本語で出版しようという試みから実現に至るまで15年余りもの年月がかかりました。ここで、こうして出版のお知らせができることを心から嬉しく思っています。ワタナベファミリーの方々、本当にありがとうございました。

 

詩集をご購入希望の方がいらっしゃいましたらこちらまでお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。


Me es grato presentar la antología poética traducida al japonés de José Watanabe, gran poeta peruano de ascendencia nipona. Hace ya unos quince años que se inició el proyecto de publicación de Watanabe. Así me alegra mucho que se presente finalmente la publicación de la traducción de Watanabe en mi pais. Quisiera agradecer a la familia de Watanabe, Sra. Teresa, Tilsa Watanabe, Issa Watanabe, Maya Watanabe y Micaela Chirif por su afectuosa colaboración para materializar este proyecto. Muchas gracias!!

 

ホセ・ワタナベ

 

作者について

 

ホセ・ワタナベ(José Watanabe

一九四五年三月十七日、ペルー北部のラ・リベルタ州ラレドで、日本(岡山県)からの移住者の父である渡辺春水(わたなべはるみ)と、ぺルー人の母パウラ・バラス・ソトとの間に生まれる。一九七〇年二十四歳の時に、詩誌『クアデルノス』主催の若手詩人コンクールで最優秀賞を受賞し国内で詩人としての評価を得て、初めての詩集『家族のアルバム(一九七一)』を出版した。その後、『博物誌(一九九四) 』、『身体の事々(一九九九) 』の詩集を刊行し二〇〇〇年、詩選集『氷の番人』で、キューバの「カサ・デ・ラス・アメリカス賞」を受賞し国際的に高い評価を受けた。その後も『われらのうちに住み給へり (二〇〇二) 』、『羽根のはえた石(二〇〇五)』、『霧の向こうの旗(二〇〇六) 』の三詩集を刊行した。また、詩人としての活動に留まらず、バルガス・リョサの小説「都会と犬ども」の映画の脚本や、芝居の翻案など様々な戯曲も執筆した。亡くなる前の数年間は子ども向けの絵本の執筆に力を注ぎ、八冊の絵本(没後三冊を含めると計十一冊)を出版した。二〇〇七年四月二十五日逝去。

 

 

 

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すうじの1のものがたり 〜チリ作家の絵本〜

すうじの1のものがたり
          
タイトル:すうじの1のものがたり Historia del uno
出版社. :プラネタ社(Planeta
出版念:2005
作者(文): マリア・デ・ラ・ルス・ウリベ(Maria de la Luz Uribe
絵: フェルナンド・クラーン(Fernando Krahn
対象年齢:3 ~9歳

 
■  あらすじ
≪ すうじの1は、ひとりぼっちで くらしていました。ベッドでとびはねても、ちっとも たのしくありません。ともだちと あそんだら、きっと まいにちが たのしくなるでしょう。そんなわけで、すうじの1は そとへでかけていきました。たいようと あおいそらのもと、きらきら のはらが かがやいています。「なんて たのしいんだ!ともだちさがしも、うまくいきそうだ」 ≫
 
こうして数字の1の冒険が始まります。独りぼっちから抜け出し、友だちさがしの旅にでます。数字の0から9まで、同じ数のグループの動物または人物になった個性豊かなキャラクターの数字たちに出会っていきます。
白鳥のように2羽で寄り添うエレガントな数字の2、いつも3番目なのに憤慨している3にんぐみのすうじの3、ぴしっと敬礼の姿勢をくずさない4にんぐみの兵隊の数字の4、おじぎの姿勢で慎ましやかな7にんぐみの修道女の数字の7、上から視線で気取りやの9にんぐみの数字の9…。


数字の1が旅を通じて学んでいくのは、数だけではありません。個性豊かなキャラクターたちと出会いながら、様々な感情や価値観に出会い、人との関わり方を学び、最後に素敵なパートナーと出会います。旅の設定もさまざまで、山、谷、森、砂漠、そして海へと移り変わります。

ひとりでは無力でも、1が0とパートナーになったら ヒーローの数字の10になるように、自分と違う他を受け入れると、同じ数字だけでは生まれない思わぬチカラを発揮できる可能性があるのだと気づかせてくれる結末がとても素敵な絵本。数字を学びはじめの小さな子どもはもちろん、大人たちの笑いも誘うことでしょう。

 
■ 作者について
マリア・デ・ラ・ルス・ウリベ(Maria de la Luz Uribe)
1936年、チリのサンティアゴ生まれ。詩人。子ども向けに多くの作品を手掛け、夫のフェルナンド・クラーンとの共作は20作品を超える。1995年にスペインのシッチェスにて逝去。

フェルナンド・クラーン (Fernando Krahn)
1935−2010年。チリの風刺漫画および造形芸術家。ザ・ニューヨーカーなどの新聞で作品が掲載されていたが、1973年の軍事クーデターの後、スペインのバルセロナに移り住んだ。手掛けた子ども向け書籍の作品数は40作品を超える。2010年に逝去。
邦訳作品:1980年『サンタクロースのながいたび』[講談社]

■ おはなしのいちぶ

 

すうじの1は、

ひとりぼっちで くらしていました。

ベッドで とびはねても、ひとり

ちっとも たのしくありません。


 

ともだちと いっしょに

あそんだら、きっと

まいにちが とっても

たのしくなるでしょう。


・・・・
 

1と0が 

こんなふうに いっしょにいると、

やまの てっぺんにいる

ヒーローみたいに みえたのでしょう。

・・・・・・・

 

 


 

| 22:04 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
カタツムリくん、どこ?〜スペインの絵本〜
カタツムリくん、どこ? 

 
■ 原書の情報
タイトル:カタツムリくん どこ?Donde estás, CARACOL
文:スサンナ・イセルン (SUSANNA ISERN) / 絵:レイレ・サラベリア(LEIRE SALABERRIA
出版社OQO Editora(スペインの出版社)
出版年:2013年 
 
願いをつよく持てば困難や違いは乗りこえられる…。違いを認めて共存する大切さを伝える作品
 
■ 概要
朝のうちは おひさまがのぼり、お昼をすぎると雨になる。そんな山の中で、カタツムリくんとトカゲちゃんは出会いました。2ひきは いっしょに おしゃべりしながら楽しくすごします。雨が苦手なトカゲちゃんと、おひさまがてるとカラカラになってしまうカタツムリくんは、いったいどうしたらいっしょにいることができるのでしょうか?
 
■ 作者について
文:スサンナ・イセルン (Susanna Isern)
スペイン人作家。カタルーニャ地方のピレネー山脈の中心部にある小さな村ラ・セウ・ドゥルジェイ出身。心理学者で、3人の子の母。小さい頃からお話しづくりに情熱をそそいできた。2011年、絵本『ピウ ピウ』を出版後、現在まで13冊の絵本を執筆している。『毛糸のマジックボール (El Ovillo Mágico)』は、米国のMoonbeam Children´s Book Awards 2013で銀賞を受賞した。
 
絵:レイレ・サラベリア (LEIRE SALABERRIA)
1983年、スペインのアンドアイン生まれ。ビルバオの大学で美術を専攻、その後バルセロナの大学院で児童向けイラストレーションとグラフィックデザインを学ぶ。2012年ボローニャブックフェア入選、2013、2014年 イベロアメリカ・イラストカタログ入選、2014年 シャルジャ国際ブックフェア特別賞受賞。彼女の絵本はスペインをはじめメキシコ、イタリア等で出版されている。


■ おはなしのいちぶ
 
その山では
おひさまと あめが まいにち いったりきたり していました。
 
あさのうち、おひさまが カンカンにてっているあいだは、
トカゲたちが、かけまわります。
 
おひるをすぎると あめになり
カタツムリたちが さんぽにでかけます。
 
よるになると、月あかりのしたで
コオロギたちが うたをうたいます。
 
 
おひるすぎ、あめが ふりはじめました。
トカゲちゃんが はしって いえにむかうとちゅう、カタツムリくんと すれちがいました。
カタツムリくんは、からから かおをだしていました。
 
その夜、トカゲちゃんは カタツムリくんの ゆめをみました。
あさになり、トカゲちゃんは カタツムリくんに あいにいくことにしました。
 
はっぱのした、
いしのあいだ
川ぞいを さがします…。
 
「カタツムリくんは どこ?」
 
 

 
 

 
| 23:17 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
トラとウサギ 〜ベネズエラの絵本〜
トラとウサギ  トラとウサギ2

■ 原書の情報


タイトル:トラとウサギ(Tío Tigre y Tío Conejo


原案:ベレン(ラ・ネーナ)カランチェ(Bele'n (La Nena) Calanche)

翻案:ジャネット・レオン(Jeanette Leo'n

絵:イダーナ・ロドリゲス(Idana Rodori'guez

発行年:2014年 ベネズエラ

出版年:CYLS EDITORES


■ 概要
ベネズエラには、昔から語りつがれてきた「トラとウサギ」という民話があります。大まかなあらすじは、かしこいウサギが強くおそろしいトラに勝つ内容で、権力に知恵で打ち勝つことをテーマにしています。

元々、このお話は時代や地域によって場面も登場人物もさまざまですが、本書の「トラとウサギ」は、ベネズエラの風習、動物たち、擬音語の多用、そして思わぬ出来事の数々により、読者をさまざまな解釈のある結末へと導いてくれる楽しいおはなしになっています。

また、登場人物の名前には、キャラクターの個性に応じた字体のデザインが使われ、工夫が凝らされています。
文字をまだ習っていない子どもたち、読みかきをはじめたばかりの子どもたちのために、親子の絆を深めるコミュニケーションツールとして、また、読書に関心を持ってもらい、絵の細やかさを楽しんでもらえる絵本として活用し、年齢に応じた知識の構築が図れるようになっています。

■ 本の特徴
  • 擬音語が豊富で読み聞かせに適している。
  • 日本人に受け入れられる可愛い動物のキャラクター。
  • 巻末に、読み聞かせに役立つポイント解説が紹介されている。
  • 繰り返し楽しめるよう、色の工夫やキャラクターの魅力があふれている。
 
  • お話を読むにあたって(あとがきより抜粋)
子どもに読み聞かせをするのは、文学に親しみ広く知識を得る扉を開くこと、さらには人間の活動に親しむことでもあります。本を通じて、読者は本に書かれている言葉や文章に驚き、想像力を駆り立てられ、個々の主観の世界へ入り込んでいくことができるのです。
 
では、読書は我々を素晴らしい人間にしてくれるのでしょうか?おそらく、それは違います。しかし、読書は私たちがよりよく生きていけるように、また、自身から解き放ち、周囲への理解を深める手助けをしてくれるでしょう。このお話は、読者にただ読んでもらうための提示に過ぎません。実際にお話を楽しみ、互いに感情のやりとりをする特別なひとときを過ごすことで、読書を通じて興味・関心が芽生え、好奇心が呼び起こされ、我々の想像の集合的産物である文化的情報に親しむことができるのです。
 
覚えておいていただきたいのは、読み聞かせで何より大切なのは、感情を伝えるということです。読み聞かせの原則は手振りや身振りを使い、声や視線を存分に活用して、いきいきと魅力あふれる語りを子どもたちにすることです。
 
ただし、はじめて読み聞かせする時には、あらゆる手法を使いこなそうとせず、子どもによって使い分けをしてください。読み聞かせの止めやリズムを作るのは、あなた自身なのですから。


■ おはなしのいちぶ

そのひ、ウサギは とっても ごきげんな あさを むかえました。
『さて、なにを しようかな?たのしい ことが、したいなあ』ウサギは、かんがえました。
『うみに いこうかな?』でも、うみまでは、とおすぎます。
『にんじんを、おおきな かごいっぱい  かおうかな?』けれど、にんじんを いっしょに たべる あいてが いません。にんじんが だいすきなのは、このあたりでは ウサギだけでしたから。

しばらく、ウサギは あたまのなかで ぐるぐる かんがえました。そして、すてきな ことを おもいついたのです。
『そうだ!ともだちを よんで、パーティをひらこう !』


ところが、ひとつ おおきな もんだいが ありました。トラです!
パーティの とちゅうで、トラがあらわれたら、めちゃくちゃにして、おきゃくを たべてしまうに ちがいありません。そこで、ウサギは ある さくせんを おもいつきました。そして、かんがえが まとまると、ウサギは ともだちを さそいに でかけました。


・・・・
 
とうとう、まちにまった どようびが やってきました。
おどれる ばしょも よういしました。おいしそうな ごちそうも、つぎつぎ テーブルに ならんでいきます。チーズパイのつつみあげ、エンパナーダ、やきプリン、やきがしのココナッツキス、シュガークッキー、ライス・プディング。パーティに かかせない ライスミルクセーキの”チチャ”、サトウキビジュースの”パペロン”!きっとダンスにつかれたら、のどがカラカラにかわくはず。

さて、いちばんに やってきたのは、オンドリです。
ウサギは、オンドリに やねのみはりを たのみました。だれかが やってきたら、
すぐに しらせてもらうためです。


・・・・
 
おんがくは、もう はじまっています。みんな おどりたくて、うずうず しています。
とうとう、アルマジロが おどりだしました。アルマジロは、おどりが とくい。とても ゆうめいな ダンサーです。アルマジロが おあいてに えらんだのは、ゴキブリさん。まっかなリボンで、なんて チャーミング。

すばらしい ごちそうと ダンスのおかげで、みんな ノリノリ、もりあがってきました。

しばらく、たのしい ひとときが つづきました。オンドリの なきごえが、きこえてくるまでは…。


キッキリ キタヨー、コッケコッコー!!!トラだー!


 
 
 
| 12:47 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『はらぺこライオン エルネスト』が翻訳絵本になりました。
はらぺこライオン エルネスト
 
■ タイトル: はらぺこライオン エルネスト 《ERNESTO》


以前、ブログでご紹介させていただいた絵本『エルスト』を、ワールドライブラリーさんより 翻訳出版していただきました。



 

2008年 コロンビア「フンダレクトゥーラ(読書教育推進非営利組織、IBBYコロンビアの代表)」の優良図書100選の推薦図書
 

2006-2007年 ヘルマン・サンチェス・ルイペレス財団(スペイン唯一の児童書センター)選定図書
 

2007年 スペインのルーゴ公立図書館の推薦図書(2010年国連制定「文化の和解のための国際年」に向けて)。


その他、同国シビカン公立図書館、フラガ私立図書館等の推薦図書


 

■ 出版社:RBA Serres社

■ 発行年:2007年 
 

■  作者

文:ローラ・カサス(Lola Casas)

絵:グスティ(Gusti)
 


 

■  あらすじ
 

アフリカのサバンナにくらす百獣の王、ライオンのエルネストは、無性にお腹が空いて目を覚ましました。

さっそく獲物を探して狩りに出かけます。さて、どれにしようか、しなさだめ。

ガゼル、レイヨウ、キリン、ダチョウ、どれもいまいち…。

そうだ!シマウマにしよう!さっそく、丸々とふとったシマウマをはっけん、

ねらいを定め おそいかかろうとしたその瞬間、遠くから聞き覚えのある声が…。

 

「エルネストォォォォォォー!エルネストォォォォォォー!!」



子どもから大人までおもいっきり楽しめる、ユーモアたっぷりの絵本。



■ 感想

この作品は何よりイラストが魅力的で、表情豊かな動物たちを見ていると、こちらまで楽しくなり、いつまでも飽きさせない作りになっています。

意外と子どもの世界では、ライオンのメスが狩りをするのは、あまり知られていないようです。よくよく調べてみると、確かにキリンの口臭は他の動物と比べると強く、バッファローの肉は赤身で固く、ガゼルはライオンの大好物だけれど、足が速くなかなかつかまえられないそう…。

そういう意味では、リアルな動物世界をユーモアたっぷりに描いているのかもしれません。

我が家の子どもたちは、このお話が大好きでした。特にエルネストがシマウマを襲う瞬間、「エルネストォォォォー!」と声をあげて近づいてくる声の主の表情がたまラなく面白いらしく、なんどもくりかえし読まされました。



何度読んでも飽きない面白さ! たのしい絵本です。


 

■ 作者について
 

文: ローラ・カサス(Lola Casas)

1951年、スペインのバルセロナ生まれ。公立小学校の教師として40年以上の経歴を持つほか、文学や映画に関する講座や講演会の講師、教育関連雑誌の記事執筆、読書活動の推進や教育セミナーのアドバイザーなど、幅広く活躍している。児童文学作家としてこれまで手掛けた作品は30タイトル以上に及ぶ。エッセイ、短編小説、児童書の執筆のほか、近年は子ども向けの詩の創作に情熱を注いでいる。


絵: グスティ(Gusti)

1963年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。スペイン及びラテンアメリカ諸国の第一線で活躍するイラストレーター兼絵本作家。彼の作品は20カ国以上の国で出版され、BIB金のりんご賞、スペイン国民イラスト賞、ミュンヘン国際児童図書館の優良図書推薦リストやIBBY障害児図書資料センター推薦図書リストに選出されるなど国際評価も高い。また、南米アマゾンの先住民と生活を共にしたり、オウギワシの生態調査や、絶滅危惧種であるスペインオオヤマネコの保護プロジェクトに関わる等、さまざまな活動にも参加している。バルセロナ在住。



グスティの邦訳作品:

『なかよくなんかならないよ』文出版局2000年4月 文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ

『ハエくん』(作、絵:グスティ)フレーベル館 2007年

こいぬのテントシリーズ(文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ)

『テントとおともだち』ポプラ社 2002年2月

『テントのちいさなはな』ポプラ社 2002年2月

『テントはあかちゃんじゃないよ』ポプラ社 2002年5月

『テントとまねっこおばけ』ポプラ社 2002年5月

『テントがとってもこわいもの』ポプラ社 2002年6月

『テントのガールフレンド』ポプラ社 2002年6月


 

■  書評 

スペインの児童文学紹介専門サイト 「ソル(SOL)」 

 

ステレオタイプの家族像を打ち破る、ユーモアたっぷりな遊び心のある作品。予期せぬ結末に、読者は驚かずにはいられないだろう。夫婦間で主導権を握っているのは実は雌ライオンで、夫に正しい振る舞いをするように説き伏せるのである。水彩画とコラージュが見事に調和し、クリエイティブに富んだ作品に仕上がっている。

 
ブログ書評 「コップの中の嵐 ― 日々の良書」 

木の紙に描かれたイラストにはコラージュが施され、中心人物以外のモノたちもきめ細かく描かれていて読者を飽きさせない(ピーナッツの殻を使った小鳥、ジュースの瓶のふたが用いられた猿の目、ネジを使った昆虫等)。小さな虫たちが、獰猛なライオンの動きを興味深そうに、じっと見守っている。そして、緊張感が最後まで続いていく。ライオンはシマウマを食べてしまうのか?それとも、シマウマが走って逃げだすのか?はぎれのよい簡潔な文章がページを追うごとにサスペンスのような盛り上がりを見せてくれる。そして、予期せぬアンチヒーローの結末へと、私たちを導いてくれるのだ。動物の世界が読者の日常のひとコマと重なる。文脈を偽らず、教訓を強いることなく…。子どもの世界に退屈は存在しない。大人の世界も、またそうであるべきなのだ。だれもが思いっきり楽しめる絵本、『エルネスト』はそんな作品だ。
 

本の成り立ちについて 
ブログ書評 「コップの中の嵐 ― 日々の良書」同ページより
 

(グスティのインタビュー記事)
― 子どもの本のイラストを描くことは、あなたにとって大きな満足感を与えるものなのでしょうか?

A ― 子どもの本をつくるのは、とても神聖なことなんだ。ただ、手掛けるにあたっては、スピリチュアルな面がとても大切だと思う。


― その関心が顕著に表われている作品は、やはりアマゾンを実際に旅して、そこで密林のシャーマンと出会い、動物の世界に触れたことが大きく影響しているのでしょうか?『エルネスト』が良い例だと思うのですが…。

A ― その通り!虫にだって精霊はいるんだ。そして、各々語るにふさわしい何かを備えているんだと思う。ただ、人間は進化の過程で、それが後退してしまった。『エルネスト』は、ネコ科の動物、特にイベリアヤマネコ のために描いた作品なんだ。この種は今、絶滅の危機に瀕している。地球に暮らす動物が消えていくたびに、ぼくたちの一部である“かけら”もまた、一緒になくなりつつある。


― 今まで、自らの作品が高い評価を受け多くの賞を受賞されていますが、子どもの本を描くことを、これからも続けていかれるのですか?また、それに対して責任のようなものを感じていますか?

A ― ぼくにとって、一番興味があるのは楽しむことなんだ。賞を受賞したり、夕食に誘ってもらえるのも、もちろん光栄なことだけれど。やはり、一番ぼくを動かす原動力となっているのは子どもの力だね。ぼく自身も大きな子どものようなもので、今は息子のテオからたくさんのことを教えてもらっている。賞のために選ばれるなら、もちろん良い本を作るべきだろう。でも何より一番なのは、7〜8歳の子どもが好きな絵を上手く取り入れることだね。
 


(ローラ・カサスのインタビュー記事)
「子ども向けに文章を書くことが大好きなの」 。たくさんの本を抱えながら、彼女は言った 「これが私のやりたいこと、楽しみ」。

― グスティも同じ考えのようですが、『エルネスト』は、どのようにして生まれたのですか?

A ― 理解してくれる人と一緒に仕事をするのは、とても大切なことね。ネットワークを通じて仕事をする必要があるけれど、特に人とのつながりの中で、興味あることを共有しながら働くと良い結果に結び付くことが多いわね。グスティと私は、ずっと前から一緒に仕事がしたいと話していたのだけれど、ついに『エルネスト』でそれが実現したのよ。


― もちろん、子ども世界特有の知識は必要だと思うのですが、作品の中に教師としての面がどのように影響しているのでしょうか?

A ― 私はいろいろな年齢の子どもたちを教えてきたけれど、彼らとの日々の会話が何よりも彼らの好みや関心を知る手助けとなっているわ。でも、いつも教育的な作品を書くことは避けているの。何かを教えようという熱意は、書いているものに水をさしてしまうから、好きではないわね。私は教師だけれども、子どもたちが学んでいることについて、その意見を代表しているのよ。もし教師がいなかったら、それでも彼らは学んでいるでしょうね。時に、その方が良い場合だってあるわ!


― でも、エルネストはメッセージ性のある絵本ですよね。

A ― たしかにそうね。でも、うわべだけの道徳心のようなものは避けたつもりよ。子どもたちは教育的なものからは逃げようとする。もし、理念を伝えたいなら、ユーモアたっぷりに伝えなくてはいけない。いかなるコンセプトがあろうと、説教になってはダメ!メッセージは自ずと伝わるのだから…。実は、何人かの女性が話してくれたのだけれど、『エルネスト』を夫に読ませたんですって!その一方で、1歳半の子どもの読者もいるのよ!


― 子どもを教化するに当たり、何か傾向はあると思いますか?

A ― 綿のようにふわふわしたもので子どもたちを包んで教育する傾向があるように思うわ。それは文章の世界にも同じことが言えるわね。でも、世の中は綿菓子のように甘くはないし、そうした子どもになってはいけないと思う。反対に石のようにカチカチなのもだめね。大切なのは、子どもたちが生きる価値を身につけること。もし、私たちの本がそれに少しだけ貢献しているとしたら、パーフェクトね!

 

■ おはなしのいちぶ


ひがくれて、すずしくなってきた。

とつぜん、アフリカのそうげんに ひびく ちからづよい ほえごえ。

ナイフのような きばと、

かぜをさくような するどいつめ。

いちばん つよくて おそろしい、

めをさましたのは…。


 

どうぶつのおうさま、

らいおんのエルネストだ。

エルネストの おなかは からっぽ。

おなかがすいて、ぺっこぺこ!

 

さっそく、エルネストは 

ごちそうをもとめて、かりに でかけることにした。


・・・・



ちょうど そのとき、けたたましい かなきりごえが、サバンナの そうげんいっぱいに ひろがった。
 

「エルネストォォォォォォォー!エルネストォォォォォォォー!!

どこいってたのよ!」

| 10:38 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(2) | trackbacks(0) |