スペイン語の絵本(ラテンアメリカやスペインの絵本)と日本語の絵本についてと、日常のあれこれをつづります。
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『トマスはどこ?』ペルー人作家ミカエラ・チリフの絵本

トマスはどこ?  トマスはどこ?No.2 

 

 

タイトル: トマスは、どこ?(¿Dónde está Tomás?

出版社:エカレ・スール社(Ediciones Ekare Sur

出版念:2016年

文 : ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif 

絵:レイレ・サラベリア (Leire Salaberria)

対象年齢:3 才〜

 

 概要(出版社ブログから)

トマスは、かくれんぼが だいすき。「トマスはどこ?」 ママが家のなかを あちこちさがしているあいだ、トマスははるか遠い世界へイマジネーションの旅をしています。かいじゅうのおもちゃは、火山の噴火の中でかいじゅうたちを眺める台地へトマスを連れていき、ユニコーンのおもちゃとゴリラの時計は、ユニコーンに乗りゴリラたちのいるジャングルへ、バケツは月旅行へ向かう宇宙飛行士のヘルメットに、鳥の絵のシャワーカーテンは南の島へ向かう鳥の群れとなり、さいごはなんとベッドカバーにいたたジャガーとおしゃべりを楽しんで…。

 

「トマスはどこ?」と繰り返されるたびにトーマスが体験するイマジネーションの旅は、レイレ・サラべリアの色鮮やかな見事なイラストで描かれています。彼女のイラストは身の回りにある身近なモノに親しみを湧かせるだけでなく、冒険の旅の楽しさも読者に伝えてくれます。

 

 

この絵本は、子どもたちにとって想像の船に乗ってトマスと旅する遊びの絵本でありながらも、大人たちもまたこの絵本の凝ったしくみに驚かずにはいられないでしょう。現実と想像の世界を行き来し、かくれんぼから始まるちょっとした目配せからダイナミックな遊びへ繋がっていきます。夢と現実が入り交じる(日常と非日常が融合する)『魔術的リアリズムMagishcer Realismus』の魅力に触れる作品です。

 

 

 

 

あらすじ

トマスは、かくれんぼが だいすき。いたずらっこのトマスのかくれ場所は台所、洗濯場、トイレ、ベッドの中、おもちゃ箱・・・。ママが家中をあちこち探しまわっている間、トマスは想像の旅の真っ最中。大昔の火山の噴火をながめたり、ゴリラがくらすジャングルでユニコーンの背にのったり、宇宙飛行士になって宇宙を旅したり、南の島の空をとんだり、ジャガーとおしゃべりしたり・・・。

 

こんがりケーキが焼けた頃、とうとうママはおもちゃ箱の中にいたトマスを見つけました。トマスは身の回りにあるものにインスピレーションを受けてイマジネーションの旅をしていたのです。 ところが、夢を見ていたのは、どうやらトマスだけではなかったみたい・・・。

 

 

 

 

■ 作者について

文:ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif)

ペルー、リマ生まれ。詩人、絵本作家。子どもに関する文化プロジェクトのコーディネーターとして、ウェブサイトから書籍選集に至るまでさまざまなメディアで活躍。大人向けの詩集も出版している。

 

主な作品

詩集

2001年 『帰路で(De vuelta)』

2008年 『ありふれた空』

2012年 『枕に頭をのせて(Sobre mi almohada una cabeza)』

 

絵本

2008年 『アントニオさんとアホウドリ(Don Antonio y el albatros』ホセ・ワタナベ氏との共著

2008年 『おやすみなさい、マルティーナ(Buenas noches, Martina)』ホワイトレイブン選定

2010年 『ことばのかたちについて(En forma de palabras)』

2011年 『かるわざし(El contorsionista)』

2013年 『あさごはん(Desayuno)』ホワイトレイブン選定、ブラジルで翻訳出版される

2013年 『いいこにして、マストドン!(Ma's te vale mastodonte)』

第17回絵本コンクールで、「風の岸辺賞(A la orilla del viento)」受賞作品

 

絵:レイレ・サラベリア (LEIRE SALABERRIA)
1983年、スペインのアンドアイン生まれ。ビルバオの大学で美術を専攻、その後バルセロナの大学院で児童向けイラストレーションとグラフィックデザインを学ぶ。2012年ボローニャブックフェア入選、2013、2014年 イベロアメリカ・イラストカタログ入選、2014年 シャルジャ国際ブックフェア特別賞受賞。彼女の絵本はスペインをはじめメキシコ、イタリア等で出版されている。

 


  • おはなしのいちぶ

 

トマスは、かくれんぼが だいすき。

 

 

さて、どこにかくれたかな?

 

 

 

 

ママが、トマスをさがしています。

 

「トマス!トマス!」

 

 

 

 

でも、トマスには、きこえません。

 

だって、火をふく山がみえるから!

 

 

 

 

。。。

 

 

 

トマスったら、とおくへ いってしまったの?

 

 

 

ええ!トマスはとおいとおいところにいました。

 

月のまわりを、ふわふわうかんでいます。 

 

 

 

 

| 17:54 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『おはなと おはなを くっつけて』 ーアルゼンチンの絵本ー

おはなとおはなをくっつけて

 

■    原書の情報

 

タイトル:おはなとおはなをくっつけて(Trompa con trompita)

 

文: ホルヘ・ルハン 絵:マンダナ・サダト

 

発行年:2016年 

 

出版社:Capital Intelectual 社(アルゼンチンの出版社)

 

スペイン語版の他、英語の翻訳出版も刊行されています。

 

 

 

■    概要

詩人ホルヘ・ルハンと画家マンダナ・サダトの素晴らしいコンビが手掛けた幼児向けの詩の絵本。おかあさんとこどもをテーマに、いろいろな動物が登場し、優しさと遊び心に富んだ素敵な世界を紹介しています。

 

 

■   作者について

 

ホルヘ・ルハン(Jorge Lujan)

 

作家、詩人、ミュージシャン。アルゼンチン・コルドバ生まれ。コルドバ大学建築学科を卒業。現在は、家族とともにメキシコシティーで暮らしている。世界の画家たちと絵本作りのワークショップを行い、その著作は世界中で刊行されている。1995年、アルゼンチン児童図書評議会(ALIJA)の「子どものための詩賞(el Premio de Poesia para Ninos)を受賞。2005年には、本書で、絵のマンダナ・サダトとともにメキシコ出版産業会議所の「編集芸術賞(el Premio al Arte Editorial)」を受賞した。

 

邦訳作品

 

2009年 『ふゆのゆうがた』 講談社(作:ホルヘ・ルハン、絵:マンダナ・サダト)

 

2014年『エステバンとカブトムシ 』 BL出版 (作:ホルヘ・ルハン、絵:キアラ・カッレル)

 

2016年『わんわんスリッパ 』 ワールドライブラリー (詩:ホルヘ・ルハン、絵:イソル)


 

 

■  画家マンダナ・サダト(Mandana・Sadat

 

http://www.mandana.fr/

 

絵本作家。イラン人の父親とベルギー人の母親との間にブリュッセルで生まれる。1996年ボローニャ国際絵本原画展で入選、クレティアンド・ド・トロワ賞を受賞。国際的に高い評価を得る。現在はパリに住み、絵本作家、イラストレーターとして活躍。

 

 

 

邦訳作品

 

2009年 『ふゆのゆうがた』 講談社(作:ホルヘ・ルハン、絵:マンダナ・サダト)

 

2010年 『ぼくのライオン』 新教出版

 

 

■ おはなしのいちぶ

 

おはなと おはなを くっつけて

 

アザラシのおかあさんと あかちゃん、

 

これが いちばん あったかい

 

もうふも いらないよ。


 

 

ママの め のなかに、ぼくがいる

 

ちっちゃな ぼくが みえる。

 

だから、ママは ぼくのこと

 

チビちゃん…ふくろうチビちゃんって よぶんだね。


 

 

サバンナの ゆうがた

 

ゾウのおかあさんが パオーンってなくと、

 

ゾウのあかちゃんが タンタンはしって かえってくる

 

おはなと

 

おはなを

 

くっつけて

 

ゾウのおかあさんと あかちゃん。

 

 

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くさりにつながれたゾウ 〜スペインの絵本〜

el elefante encadenado

■ 原書の情報

タイトル:くさりにつながれたゾウ(EL ELEFANTE ENCADENADO

文:ホルヘ・ブカイ (JORGE BUCAY) / 絵:グスティ(GUSTI)

出版社:SERRES社/スペインの出版社 (メキシコでも出版されている。)

 

2010年、IBBYスペインのイラスト部門での優良図に選定

 

■ 本書について

あきらめない気持ちを持つ大切さを問うおはなし。

 

■ 概要

「どうしてゾウのようにおおきな動物が、サーカスがおわると、ちっぽけなくいに つながれたままでいるの?」 男の子の疑問に、答えられる人は誰もいません。ところがある日、賢者が答えを見つけてくれます。サーカスのゾウがにげないのは、小さな頃からずっとくさりにつながれていたからだ、と。

 

男の子は気づきます。サーカスでみた おおきなちからづよいゾウが、どうして、くさりにつながれたままでいるのか。それは、杭につながれたまま、もう けっして自由になれないって、自分で決めつけてしまったからなのだと。どうせできっこない、そんな失敗した記憶をひきずって、自分の力を決して試そうとしなかったんだと。

 

男の子は、夢の中で、そっとゾウに近づいて、耳元でささやきます。「ねえ、しってる?きみはぼくにそっくりだよ。じぶんはできないことがたくさんあるっておもってるでしょ。でもね、ずっとまえ、たった1かいできなかっただけ。あれからずいぶんじかんは たったんだよ。もう、きみはおおきくなって、むかしよりずっとちからもちなんだ。ほんとうに自由になりたかったら、できるんだ。ほんとうさ。なぜ、やってみようとしないんだい?」

 

 

アルゼンチン出身のベストセラー作家とスペイン在住のアルゼンチンイラストレーターのコンビの作品。

 

 

■ 作者について

ホルヘ・ブカイ
1949年アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。医師精神病理学)、ゲシュタルト・セラピスト、心理療法劇作家。ゲシュタルト療法を基にした独自のセラピーを展開し、講演やセミナーを開催するなど国内外で幅広く活動。その著作はスペイン語圏で大ベストセラーとなり、各国語に翻訳されている 

 

邦訳作品

2005年 『寓話セラピー―目からウロコの51話 』めるくまーる

 

2009年 『御者エル・コチェーロ ― 人生の知恵をめぐるライブ対話』新曜社 共著

 

グスティ

1963年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。スペイン及びラテンアメリカ諸国の第一線で活躍するイラストレーター兼絵本作家。彼の作品は20カ国以上の国で出版され、BIB金のりんご賞、スペイン国民イラスト賞、ミュンヘン国際児童図書館の優良図書推薦リストやIBBY障害児図書資料センター推薦図書リストに選出されるなど国際評価も高い。また、南米アマゾンの先住民と生活を共にしたり、オウギワシの生態調査や、絶滅危惧種であるスペインオオヤマネコの保護プロジェクトに関わる等、さまざまな活動にも参加している。バルセロナ在住。

 

邦訳作品

『なかよくなんかならないよ』文出版局2000年4月

文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ

 

こいぬのテントシリーズ(文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ)

『テントとおともだち』ポプラ社 2002年2月

『テントのちいさなはな』ポプラ社 2002年2月

『テントはあかちゃんじゃないよ』ポプラ社 2002年5月

『テントとまねっこおばけ』ポプラ社 2002年5月

『テントがとってもこわいもの』ポプラ社 2002年6月

『テントのガールフレンド』ポプラ社 2002年6月

 

『ハエくん』(作、絵:グスティ)フレーベル館 2007年

『はらぺこライオン エルネスト』 ワールドライブラリー 2016年

 

 

 おはなしのいちぶ

 

ちいさかったころ、

 

ぼくは サーカスのまほうの せかいが

 

だいすきだった。

 

まちからまちへ、サーカスのいちだんが たびをする。

 

わくわくしながら、ぼくはどうぶつにちかづいた。

 

すこしでも、ちかくで みていたかったから。

 

 

なかでも、ゾウのショーは

 

ぼくの いちばんの おきにいりだった。

 

・・・・・・・

 

サーカスのゾウがにげないのは、

 

とっても ちいさなときから、

 

ずっと くさりに つながれていたからなんだ。

 

・・・

 

「ねえ、しってる?きみは ぼくに そっくりだよ。

 

じぶんは できないことが たくさんあるって おもってるでしょ。

 

でもね、ずっとまえ、たった1かい できなかっただけ。

 

 

 

| 09:16 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『ペルー日系詩人ホセ・ワタナベ詩集』の訳詩集を出版しました。

ホセ・ワタナベ詩集

 

タイトル:ペルー日系詩人ホセ・ワタナベ詩集

出版社:土曜美術出版販売株式会社

出版年:2016

著者:ホセ・ワタナベ

共編訳:細野豊、星野由美

 

この度『ペルー日系詩人ホセ・ワタナベ詩集(土曜美術社出版販売株式会社 刊、細野豊、星野由美 共編訳)』を出版しました。この詩選集を日本語で出版しようという試みから実現に至るまで15年余りもの年月がかかりました。ここで、こうして出版のお知らせができることを心から嬉しく思っています。ワタナベファミリーの方々、本当にありがとうございました。

 

詩集をご購入希望の方がいらっしゃいましたらこちらまでお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。


Me es grato presentar la antología poética traducida al japonés de José Watanabe, gran poeta peruano de ascendencia nipona. Hace ya unos quince años que se inició el proyecto de publicación de Watanabe. Así me alegra mucho que se presente finalmente la publicación de la traducción de Watanabe en mi pais. Quisiera agradecer a la familia de Watanabe, Sra. Teresa, Tilsa Watanabe, Issa Watanabe, Maya Watanabe y Micaela Chirif por su afectuosa colaboración para materializar este proyecto. Muchas gracias!!

 

ホセ・ワタナベ

 

作者について

 

ホセ・ワタナベ(José Watanabe

一九四五年三月十七日、ペルー北部のラ・リベルタ州ラレドで、日本(岡山県)からの移住者の父である渡辺春水(わたなべはるみ)と、ぺルー人の母パウラ・バラス・ソトとの間に生まれる。一九七〇年二十四歳の時に、詩誌『クアデルノス』主催の若手詩人コンクールで最優秀賞を受賞し国内で詩人としての評価を得て、初めての詩集『家族のアルバム(一九七一)』を出版した。その後、『博物誌(一九九四) 』、『身体の事々(一九九九) 』の詩集を刊行し二〇〇〇年、詩選集『氷の番人』で、キューバの「カサ・デ・ラス・アメリカス賞」を受賞し国際的に高い評価を受けた。その後も『われらのうちに住み給へり (二〇〇二) 』、『羽根のはえた石(二〇〇五)』、『霧の向こうの旗(二〇〇六) 』の三詩集を刊行した。また、詩人としての活動に留まらず、バルガス・リョサの小説「都会と犬ども」の映画の脚本や、芝居の翻案など様々な戯曲も執筆した。亡くなる前の数年間は子ども向けの絵本の執筆に力を注ぎ、八冊の絵本(没後三冊を含めると計十一冊)を出版した。二〇〇七年四月二十五日逝去。

 

 

 

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すうじの1のものがたり 〜チリ作家の絵本〜

すうじの1のものがたり
          
タイトル:すうじの1のものがたり Historia del uno
出版社. :プラネタ社(Planeta
出版念:2005
作者(文): マリア・デ・ラ・ルス・ウリベ(Maria de la Luz Uribe
絵: フェルナンド・クラーン(Fernando Krahn
対象年齢:3 ~9歳

 
■  あらすじ
≪ すうじの1は、ひとりぼっちで くらしていました。ベッドでとびはねても、ちっとも たのしくありません。ともだちと あそんだら、きっと まいにちが たのしくなるでしょう。そんなわけで、すうじの1は そとへでかけていきました。たいようと あおいそらのもと、きらきら のはらが かがやいています。「なんて たのしいんだ!ともだちさがしも、うまくいきそうだ」 ≫
 
こうして数字の1の冒険が始まります。独りぼっちから抜け出し、友だちさがしの旅にでます。数字の0から9まで、同じ数のグループの動物または人物になった個性豊かなキャラクターの数字たちに出会っていきます。
白鳥のように2羽で寄り添うエレガントな数字の2、いつも3番目なのに憤慨している3にんぐみのすうじの3、ぴしっと敬礼の姿勢をくずさない4にんぐみの兵隊の数字の4、おじぎの姿勢で慎ましやかな7にんぐみの修道女の数字の7、上から視線で気取りやの9にんぐみの数字の9…。


数字の1が旅を通じて学んでいくのは、数だけではありません。個性豊かなキャラクターたちと出会いながら、様々な感情や価値観に出会い、人との関わり方を学び、最後に素敵なパートナーと出会います。旅の設定もさまざまで、山、谷、森、砂漠、そして海へと移り変わります。

ひとりでは無力でも、1が0とパートナーになったら ヒーローの数字の10になるように、自分と違う他を受け入れると、同じ数字だけでは生まれない思わぬチカラを発揮できる可能性があるのだと気づかせてくれる結末がとても素敵な絵本。数字を学びはじめの小さな子どもはもちろん、大人たちの笑いも誘うことでしょう。

 
■ 作者について
マリア・デ・ラ・ルス・ウリベ(Maria de la Luz Uribe)
1936年、チリのサンティアゴ生まれ。詩人。子ども向けに多くの作品を手掛け、夫のフェルナンド・クラーンとの共作は20作品を超える。1995年にスペインのシッチェスにて逝去。

フェルナンド・クラーン (Fernando Krahn)
1935−2010年。チリの風刺漫画および造形芸術家。ザ・ニューヨーカーなどの新聞で作品が掲載されていたが、1973年の軍事クーデターの後、スペインのバルセロナに移り住んだ。手掛けた子ども向け書籍の作品数は40作品を超える。2010年に逝去。
邦訳作品:1980年『サンタクロースのながいたび』[講談社]

■ おはなしのいちぶ

 

すうじの1は、

ひとりぼっちで くらしていました。

ベッドで とびはねても、ひとり

ちっとも たのしくありません。


 

ともだちと いっしょに

あそんだら、きっと

まいにちが とっても

たのしくなるでしょう。


・・・・
 

1と0が 

こんなふうに いっしょにいると、

やまの てっぺんにいる

ヒーローみたいに みえたのでしょう。

・・・・・・・

 

 


 

| 22:04 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
カタツムリくん、どこ?〜スペインの絵本〜
カタツムリくん、どこ? 

 
■ 原書の情報
タイトル:カタツムリくん どこ?Donde estás, CARACOL
文:スサンナ・イセルン (SUSANNA ISERN) / 絵:レイレ・サラベリア(LEIRE SALABERRIA
出版社OQO Editora(スペインの出版社)
出版年:2013年 
 
願いをつよく持てば困難や違いは乗りこえられる…。違いを認めて共存する大切さを伝える作品
 
■ 概要
朝のうちは おひさまがのぼり、お昼をすぎると雨になる。そんな山の中で、カタツムリくんとトカゲちゃんは出会いました。2ひきは いっしょに おしゃべりしながら楽しくすごします。雨が苦手なトカゲちゃんと、おひさまがてるとカラカラになってしまうカタツムリくんは、いったいどうしたらいっしょにいることができるのでしょうか?
 
■ 作者について
文:スサンナ・イセルン (Susanna Isern)
スペイン人作家。カタルーニャ地方のピレネー山脈の中心部にある小さな村ラ・セウ・ドゥルジェイ出身。心理学者で、3人の子の母。小さい頃からお話しづくりに情熱をそそいできた。2011年、絵本『ピウ ピウ』を出版後、現在まで13冊の絵本を執筆している。『毛糸のマジックボール (El Ovillo Mágico)』は、米国のMoonbeam Children´s Book Awards 2013で銀賞を受賞した。
 
絵:レイレ・サラベリア (LEIRE SALABERRIA)
1983年、スペインのアンドアイン生まれ。ビルバオの大学で美術を専攻、その後バルセロナの大学院で児童向けイラストレーションとグラフィックデザインを学ぶ。2012年ボローニャブックフェア入選、2013、2014年 イベロアメリカ・イラストカタログ入選、2014年 シャルジャ国際ブックフェア特別賞受賞。彼女の絵本はスペインをはじめメキシコ、イタリア等で出版されている。


■ おはなしのいちぶ
 
その山では
おひさまと あめが まいにち いったりきたり していました。
 
あさのうち、おひさまが カンカンにてっているあいだは、
トカゲたちが、かけまわります。
 
おひるをすぎると あめになり
カタツムリたちが さんぽにでかけます。
 
よるになると、月あかりのしたで
コオロギたちが うたをうたいます。
 
 
おひるすぎ、あめが ふりはじめました。
トカゲちゃんが はしって いえにむかうとちゅう、カタツムリくんと すれちがいました。
カタツムリくんは、からから かおをだしていました。
 
その夜、トカゲちゃんは カタツムリくんの ゆめをみました。
あさになり、トカゲちゃんは カタツムリくんに あいにいくことにしました。
 
はっぱのした、
いしのあいだ
川ぞいを さがします…。
 
「カタツムリくんは どこ?」
 
 

 
 

 
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トラとウサギ 〜ベネズエラの絵本〜
トラとウサギ  トラとウサギ2

■ 原書の情報


タイトル:トラとウサギ(Tío Tigre y Tío Conejo


原案:ベレン(ラ・ネーナ)カランチェ(Bele'n (La Nena) Calanche)

翻案:ジャネット・レオン(Jeanette Leo'n

絵:イダーナ・ロドリゲス(Idana Rodori'guez

発行年:2014年 ベネズエラ

出版年:CYLS EDITORES


■ 概要
ベネズエラには、昔から語りつがれてきた「トラとウサギ」という民話があります。大まかなあらすじは、かしこいウサギが強くおそろしいトラに勝つ内容で、権力に知恵で打ち勝つことをテーマにしています。

元々、このお話は時代や地域によって場面も登場人物もさまざまですが、本書の「トラとウサギ」は、ベネズエラの風習、動物たち、擬音語の多用、そして思わぬ出来事の数々により、読者をさまざまな解釈のある結末へと導いてくれる楽しいおはなしになっています。

また、登場人物の名前には、キャラクターの個性に応じた字体のデザインが使われ、工夫が凝らされています。
文字をまだ習っていない子どもたち、読みかきをはじめたばかりの子どもたちのために、親子の絆を深めるコミュニケーションツールとして、また、読書に関心を持ってもらい、絵の細やかさを楽しんでもらえる絵本として活用し、年齢に応じた知識の構築が図れるようになっています。

■ 本の特徴
  • 擬音語が豊富で読み聞かせに適している。
  • 日本人に受け入れられる可愛い動物のキャラクター。
  • 巻末に、読み聞かせに役立つポイント解説が紹介されている。
  • 繰り返し楽しめるよう、色の工夫やキャラクターの魅力があふれている。
 
  • お話を読むにあたって(あとがきより抜粋)
子どもに読み聞かせをするのは、文学に親しみ広く知識を得る扉を開くこと、さらには人間の活動に親しむことでもあります。本を通じて、読者は本に書かれている言葉や文章に驚き、想像力を駆り立てられ、個々の主観の世界へ入り込んでいくことができるのです。
 
では、読書は我々を素晴らしい人間にしてくれるのでしょうか?おそらく、それは違います。しかし、読書は私たちがよりよく生きていけるように、また、自身から解き放ち、周囲への理解を深める手助けをしてくれるでしょう。このお話は、読者にただ読んでもらうための提示に過ぎません。実際にお話を楽しみ、互いに感情のやりとりをする特別なひとときを過ごすことで、読書を通じて興味・関心が芽生え、好奇心が呼び起こされ、我々の想像の集合的産物である文化的情報に親しむことができるのです。
 
覚えておいていただきたいのは、読み聞かせで何より大切なのは、感情を伝えるということです。読み聞かせの原則は手振りや身振りを使い、声や視線を存分に活用して、いきいきと魅力あふれる語りを子どもたちにすることです。
 
ただし、はじめて読み聞かせする時には、あらゆる手法を使いこなそうとせず、子どもによって使い分けをしてください。読み聞かせの止めやリズムを作るのは、あなた自身なのですから。


■ おはなしのいちぶ

そのひ、ウサギは とっても ごきげんな あさを むかえました。
『さて、なにを しようかな?たのしい ことが、したいなあ』ウサギは、かんがえました。
『うみに いこうかな?』でも、うみまでは、とおすぎます。
『にんじんを、おおきな かごいっぱい  かおうかな?』けれど、にんじんを いっしょに たべる あいてが いません。にんじんが だいすきなのは、このあたりでは ウサギだけでしたから。

しばらく、ウサギは あたまのなかで ぐるぐる かんがえました。そして、すてきな ことを おもいついたのです。
『そうだ!ともだちを よんで、パーティをひらこう !』


ところが、ひとつ おおきな もんだいが ありました。トラです!
パーティの とちゅうで、トラがあらわれたら、めちゃくちゃにして、おきゃくを たべてしまうに ちがいありません。そこで、ウサギは ある さくせんを おもいつきました。そして、かんがえが まとまると、ウサギは ともだちを さそいに でかけました。


・・・・
 
とうとう、まちにまった どようびが やってきました。
おどれる ばしょも よういしました。おいしそうな ごちそうも、つぎつぎ テーブルに ならんでいきます。チーズパイのつつみあげ、エンパナーダ、やきプリン、やきがしのココナッツキス、シュガークッキー、ライス・プディング。パーティに かかせない ライスミルクセーキの”チチャ”、サトウキビジュースの”パペロン”!きっとダンスにつかれたら、のどがカラカラにかわくはず。

さて、いちばんに やってきたのは、オンドリです。
ウサギは、オンドリに やねのみはりを たのみました。だれかが やってきたら、
すぐに しらせてもらうためです。


・・・・
 
おんがくは、もう はじまっています。みんな おどりたくて、うずうず しています。
とうとう、アルマジロが おどりだしました。アルマジロは、おどりが とくい。とても ゆうめいな ダンサーです。アルマジロが おあいてに えらんだのは、ゴキブリさん。まっかなリボンで、なんて チャーミング。

すばらしい ごちそうと ダンスのおかげで、みんな ノリノリ、もりあがってきました。

しばらく、たのしい ひとときが つづきました。オンドリの なきごえが、きこえてくるまでは…。


キッキリ キタヨー、コッケコッコー!!!トラだー!


 
 
 
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『はらぺこライオン エルネスト』が翻訳絵本になりました。
はらぺこライオン エルネスト
 
■ タイトル: はらぺこライオン エルネスト 《ERNESTO》


以前、ブログでご紹介させていただいた絵本『エルスト』を、ワールドライブラリーさんより 翻訳出版していただきました。



 

2008年 コロンビア「フンダレクトゥーラ(読書教育推進非営利組織、IBBYコロンビアの代表)」の優良図書100選の推薦図書
 

2006-2007年 ヘルマン・サンチェス・ルイペレス財団(スペイン唯一の児童書センター)選定図書
 

2007年 スペインのルーゴ公立図書館の推薦図書(2010年国連制定「文化の和解のための国際年」に向けて)。


その他、同国シビカン公立図書館、フラガ私立図書館等の推薦図書


 

■ 出版社:RBA Serres社

■ 発行年:2007年 
 

■  作者

文:ローラ・カサス(Lola Casas)

絵:グスティ(Gusti)
 


 

■  あらすじ
 

アフリカのサバンナにくらす百獣の王、ライオンのエルネストは、無性にお腹が空いて目を覚ましました。

さっそく獲物を探して狩りに出かけます。さて、どれにしようか、しなさだめ。

ガゼル、レイヨウ、キリン、ダチョウ、どれもいまいち…。

そうだ!シマウマにしよう!さっそく、丸々とふとったシマウマをはっけん、

ねらいを定め おそいかかろうとしたその瞬間、遠くから聞き覚えのある声が…。

 

「エルネストォォォォォォー!エルネストォォォォォォー!!」



子どもから大人までおもいっきり楽しめる、ユーモアたっぷりの絵本。



■ 感想

この作品は何よりイラストが魅力的で、表情豊かな動物たちを見ていると、こちらまで楽しくなり、いつまでも飽きさせない作りになっています。

意外と子どもの世界では、ライオンのメスが狩りをするのは、あまり知られていないようです。よくよく調べてみると、確かにキリンの口臭は他の動物と比べると強く、バッファローの肉は赤身で固く、ガゼルはライオンの大好物だけれど、足が速くなかなかつかまえられないそう…。

そういう意味では、リアルな動物世界をユーモアたっぷりに描いているのかもしれません。

我が家の子どもたちは、このお話が大好きでした。特にエルネストがシマウマを襲う瞬間、「エルネストォォォォー!」と声をあげて近づいてくる声の主の表情がたまラなく面白いらしく、なんどもくりかえし読まされました。



何度読んでも飽きない面白さ! たのしい絵本です。


 

■ 作者について
 

文: ローラ・カサス(Lola Casas)

1951年、スペインのバルセロナ生まれ。公立小学校の教師として40年以上の経歴を持つほか、文学や映画に関する講座や講演会の講師、教育関連雑誌の記事執筆、読書活動の推進や教育セミナーのアドバイザーなど、幅広く活躍している。児童文学作家としてこれまで手掛けた作品は30タイトル以上に及ぶ。エッセイ、短編小説、児童書の執筆のほか、近年は子ども向けの詩の創作に情熱を注いでいる。


絵: グスティ(Gusti)

1963年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。スペイン及びラテンアメリカ諸国の第一線で活躍するイラストレーター兼絵本作家。彼の作品は20カ国以上の国で出版され、BIB金のりんご賞、スペイン国民イラスト賞、ミュンヘン国際児童図書館の優良図書推薦リストやIBBY障害児図書資料センター推薦図書リストに選出されるなど国際評価も高い。また、南米アマゾンの先住民と生活を共にしたり、オウギワシの生態調査や、絶滅危惧種であるスペインオオヤマネコの保護プロジェクトに関わる等、さまざまな活動にも参加している。バルセロナ在住。



グスティの邦訳作品:

『なかよくなんかならないよ』文出版局2000年4月 文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ

『ハエくん』(作、絵:グスティ)フレーベル館 2007年

こいぬのテントシリーズ(文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ)

『テントとおともだち』ポプラ社 2002年2月

『テントのちいさなはな』ポプラ社 2002年2月

『テントはあかちゃんじゃないよ』ポプラ社 2002年5月

『テントとまねっこおばけ』ポプラ社 2002年5月

『テントがとってもこわいもの』ポプラ社 2002年6月

『テントのガールフレンド』ポプラ社 2002年6月


 

■  書評 

スペインの児童文学紹介専門サイト 「ソル(SOL)」 

 

ステレオタイプの家族像を打ち破る、ユーモアたっぷりな遊び心のある作品。予期せぬ結末に、読者は驚かずにはいられないだろう。夫婦間で主導権を握っているのは実は雌ライオンで、夫に正しい振る舞いをするように説き伏せるのである。水彩画とコラージュが見事に調和し、クリエイティブに富んだ作品に仕上がっている。

 
ブログ書評 「コップの中の嵐 ― 日々の良書」 

木の紙に描かれたイラストにはコラージュが施され、中心人物以外のモノたちもきめ細かく描かれていて読者を飽きさせない(ピーナッツの殻を使った小鳥、ジュースの瓶のふたが用いられた猿の目、ネジを使った昆虫等)。小さな虫たちが、獰猛なライオンの動きを興味深そうに、じっと見守っている。そして、緊張感が最後まで続いていく。ライオンはシマウマを食べてしまうのか?それとも、シマウマが走って逃げだすのか?はぎれのよい簡潔な文章がページを追うごとにサスペンスのような盛り上がりを見せてくれる。そして、予期せぬアンチヒーローの結末へと、私たちを導いてくれるのだ。動物の世界が読者の日常のひとコマと重なる。文脈を偽らず、教訓を強いることなく…。子どもの世界に退屈は存在しない。大人の世界も、またそうであるべきなのだ。だれもが思いっきり楽しめる絵本、『エルネスト』はそんな作品だ。
 

本の成り立ちについて 
ブログ書評 「コップの中の嵐 ― 日々の良書」同ページより
 

(グスティのインタビュー記事)
― 子どもの本のイラストを描くことは、あなたにとって大きな満足感を与えるものなのでしょうか?

A ― 子どもの本をつくるのは、とても神聖なことなんだ。ただ、手掛けるにあたっては、スピリチュアルな面がとても大切だと思う。


― その関心が顕著に表われている作品は、やはりアマゾンを実際に旅して、そこで密林のシャーマンと出会い、動物の世界に触れたことが大きく影響しているのでしょうか?『エルネスト』が良い例だと思うのですが…。

A ― その通り!虫にだって精霊はいるんだ。そして、各々語るにふさわしい何かを備えているんだと思う。ただ、人間は進化の過程で、それが後退してしまった。『エルネスト』は、ネコ科の動物、特にイベリアヤマネコ のために描いた作品なんだ。この種は今、絶滅の危機に瀕している。地球に暮らす動物が消えていくたびに、ぼくたちの一部である“かけら”もまた、一緒になくなりつつある。


― 今まで、自らの作品が高い評価を受け多くの賞を受賞されていますが、子どもの本を描くことを、これからも続けていかれるのですか?また、それに対して責任のようなものを感じていますか?

A ― ぼくにとって、一番興味があるのは楽しむことなんだ。賞を受賞したり、夕食に誘ってもらえるのも、もちろん光栄なことだけれど。やはり、一番ぼくを動かす原動力となっているのは子どもの力だね。ぼく自身も大きな子どものようなもので、今は息子のテオからたくさんのことを教えてもらっている。賞のために選ばれるなら、もちろん良い本を作るべきだろう。でも何より一番なのは、7〜8歳の子どもが好きな絵を上手く取り入れることだね。
 


(ローラ・カサスのインタビュー記事)
「子ども向けに文章を書くことが大好きなの」 。たくさんの本を抱えながら、彼女は言った 「これが私のやりたいこと、楽しみ」。

― グスティも同じ考えのようですが、『エルネスト』は、どのようにして生まれたのですか?

A ― 理解してくれる人と一緒に仕事をするのは、とても大切なことね。ネットワークを通じて仕事をする必要があるけれど、特に人とのつながりの中で、興味あることを共有しながら働くと良い結果に結び付くことが多いわね。グスティと私は、ずっと前から一緒に仕事がしたいと話していたのだけれど、ついに『エルネスト』でそれが実現したのよ。


― もちろん、子ども世界特有の知識は必要だと思うのですが、作品の中に教師としての面がどのように影響しているのでしょうか?

A ― 私はいろいろな年齢の子どもたちを教えてきたけれど、彼らとの日々の会話が何よりも彼らの好みや関心を知る手助けとなっているわ。でも、いつも教育的な作品を書くことは避けているの。何かを教えようという熱意は、書いているものに水をさしてしまうから、好きではないわね。私は教師だけれども、子どもたちが学んでいることについて、その意見を代表しているのよ。もし教師がいなかったら、それでも彼らは学んでいるでしょうね。時に、その方が良い場合だってあるわ!


― でも、エルネストはメッセージ性のある絵本ですよね。

A ― たしかにそうね。でも、うわべだけの道徳心のようなものは避けたつもりよ。子どもたちは教育的なものからは逃げようとする。もし、理念を伝えたいなら、ユーモアたっぷりに伝えなくてはいけない。いかなるコンセプトがあろうと、説教になってはダメ!メッセージは自ずと伝わるのだから…。実は、何人かの女性が話してくれたのだけれど、『エルネスト』を夫に読ませたんですって!その一方で、1歳半の子どもの読者もいるのよ!


― 子どもを教化するに当たり、何か傾向はあると思いますか?

A ― 綿のようにふわふわしたもので子どもたちを包んで教育する傾向があるように思うわ。それは文章の世界にも同じことが言えるわね。でも、世の中は綿菓子のように甘くはないし、そうした子どもになってはいけないと思う。反対に石のようにカチカチなのもだめね。大切なのは、子どもたちが生きる価値を身につけること。もし、私たちの本がそれに少しだけ貢献しているとしたら、パーフェクトね!

 

■ おはなしのいちぶ


ひがくれて、すずしくなってきた。

とつぜん、アフリカのそうげんに ひびく ちからづよい ほえごえ。

ナイフのような きばと、

かぜをさくような するどいつめ。

いちばん つよくて おそろしい、

めをさましたのは…。


 

どうぶつのおうさま、

らいおんのエルネストだ。

エルネストの おなかは からっぽ。

おなかがすいて、ぺっこぺこ!

 

さっそく、エルネストは 

ごちそうをもとめて、かりに でかけることにした。


・・・・



ちょうど そのとき、けたたましい かなきりごえが、サバンナの そうげんいっぱいに ひろがった。
 

「エルネストォォォォォォォー!エルネストォォォォォォォー!!

どこいってたのよ!」

| 10:38 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(2) | trackbacks(0) |
もろもろの木 ―チリ人作家によるスペインの絵本―
el arbol de las cosas 

 原書の情報

タイトル:もろもろの木 (EL ARBOL DE LAS COSAS) 

文:マリア・ホセ・フェラーダMaría José Ferrada          

ミゲル・パンMiguel Pang LY

出版社:Buen Paso

発行年:2015

 

あけましておめでとうございます。今年も素敵なラテンアメリカの絵本をご紹介していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


さて、今年はじめにおすすめしたい絵本は、チリの作家であり詩人のマリア・ホセ・フェラーダさんの作品です。


 あらすじ

マリアは庭で もろもろの木を みつけます。もろもろの木は、ふしぎなことだらけ。なぜって、もろもろの木からさくのは 花ではなく、さかな、ほし、くもだったりするものだから。

 

春のおわり、りんごの花はりんごの実、レモンの花はレモンの実がなるころ、もろもろの木から いったい どんな実がなるのでしょうか? マリアは 気になってしかたがありませ。けれど、もろもろの木からは なにも実りませんでした。ぽつり ぽつりと、さかなが、ほしが、くもが きえていくだけ。

 

なぜだろう?マリアはかんがえます。ずっとずっとかんがえました。けれど、とうとう こたえは 見つかりませんでした。たったひとつ 分かったのは、分からないことがある ということ。それは、まかふしぎ とよばれるもの

 

もろもろの木は いっぽんの木、そして まかふしぎな木。

 

   所感

この絵本は2009年にマリア・ホセさんが来日した時に生まれた作品だそうです。マリアさんは俳句と日本文学を愛され、スペインの大学ではアジア研究を専門にされていた方です。

 

俳句は短いフレーズの中に人生の儚い一瞬が凝縮されているところが魅力だと思うのですが、マリア・ホセさんの詩や絵本にも、日常を観察し、別の角度から眺め、一瞬垣間みる変化や輝きを切り取る いわば俳句に通じる作品が多くあるように思います。


   作家について

マリア・ホセ・フェラーダ

1977年、チリのテムコ生まれ。ジャーナリスト。スペインのバルセロナ大学アジア研究修士課程修了。チリ、アルゼンチン、スペインで数多くの作品を手掛け、作家であり詩人としても活躍し受賞歴多数。

 

主な作品

2005年 『大地、空、海のちょっとしたおはなし12話:12 historias minúsculas de la tierra, el cielo y el mar)』

2010年  『おかしなせかい:Un mundo raro』(Kalandraka社)

2010年 『ちっちゃなおどりUn baile diminuto』(Kalandraka社)

2011年 『いろんなもののことば:El lenguaje de las cosas』(El Jinete Azul Editorial社)

2013年 『こどもたち:Niños』(Grafito Ediciones社)

2013年 『ひみつのことば:Idioma secreto』(Kalandraka社)

2015年 『しろいようふくをきて:Tienes un vestido blanco』(Buen Paso社)

2015年 『マヌエルのいちにち:El dia de Manuel』(Santillana社)

2015年 『ファンは だあれ?:¿Quién es Juan?(Planeta chilena 社)

2015年 『もろもろの木:El árbol de las cosasBuen Paso 社)

 

   画家について

ミゲル・パン・LyMiguel Pan Ly

カンボジア人の母と中国系スペイン人の父との間に生まれる。幼少期から絵に親しみ、地中海の色を静かに眺めながら育つ。大学で美術を専攻し、卒業後にバルセロナのマッサナ芸術学院でイラストレーションを学ぶ。彼の作品はスペインおよび隣国で開催される様々な国際コンクールで出展されている。

 

■    おはなしのいちぶ

マリアの にわには、たくさんの木があります。

 

りんごの木、レモンの木、すももの木、

そして、もろもろの木。

 

もろもろの木からさく花は、さかな、ほし、くも。

 

春のおわり、りんごの木の花は リンゴの実が、

レモンの花は、レモンの実が、

すももの花は、すももの実がなります。

 

それでは、もろもろの木の花からは、どんな実がなるのでしょうか?

 

・・・

 

もろもろの木は いっぽんの木、そして まかふしぎな木。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

| 01:14 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(2) | trackbacks(0) |
『まぼろしのおはなし』をユニバーサル絵本にしていただきました。
 まぼろしのおはなし


UniLeaf さんとワールドライブラリーさんのご理解とご協力の下、絵本『まぼろしのおはなし』がユニバーサル絵本になりました。


まぼろしのおはなし2
詳しくは、「バリアフリー絵本研究会」のHPでご紹介いただいています。

このサイトを運営されているKさんは、世界のバリアフリー絵本の普及と紹介にご尽力されています。優しく強く背中を押してくれたこの方との出会いがなかったら、この絵本を翻訳することもなかったと思います。そして今回、こうしてUniLeaf さんとのステキな出会いをつくってくださいました。

UniLeaf はユニバーサル絵本ライブラリーとして2008年に設立され、運営されています。(HPはこちら になります。)見える子も見えない子も、1冊の本でシェアできるしくみが素晴らしいですね。点字をつかうお子さんのいる家族のために、たくさんの絵本を点字つきのユニバーサル絵本にして、無料で貸し出しをされています。

今回、出版社のワールドライブラリーさんのご理解もあり、『まぼろしのおはなし』をUniLeafさんのラインナップの1冊に入れていただきました。そもそも『まぼろしのおはなし』は、オリジナルが点字付きの絵本でした。つまり、この本の本来のあるべき姿にしていただいたわけです。


目の見えない人にとって、この本はどう響くのだろう…。ずっと、これについて考えてきました。その声を聞く道をつくってくださったみなさまに、心から感謝しています。ありがとうございました。

| 00:59 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |