スペイン語の絵本(ラテンアメリカやスペインの絵本)と日本語の絵本についてと、日常のあれこれをつづります。
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このいろ あのいろ ベネズエラ人作家によるコロンビアの絵本

de otro color

 

■ 原書の情報

このいろ あのいろ(De otro color/From other color

文・絵:メネナ・コッティン(Menena Cottin) 

出版社:SMコロンビア社(Ediciones SM, Colombia

発行年:2015年

 

■ 本書について

「ゆきが すき。ひんやり つめたい。それに しろ。ぼくも しろ…しろ と くろ。」 こんなふうに、ちいさな ペンギンの たびが はじまります。

 

こおりにうつる じぶんのすがた、ポーズをとってみたり、こおりのうえを すべってみたり…。そして、しろ と あか の ペンギンちゃんに であうのです。にてるけど、ちがう。でも、おなじ? 

 

そして、なかよくなった にわの ペンギンは、いっしょに こおりを すべって、おなじポーズをとってみたり、キスしてみたり…。すると、ふたりのあいだには しろい たまごが…。

 

こうして、たまごから うまれた ペンギンのあかちゃんは、やっぱり 「ゆきが すき。ひんやり つめたい。それに しろ。ぼくも しろ…しろ と くろ と あか。」

 

コンセプチュアルアートの作品としてラテンアメリカで評価が高い作品です。ベネズエラ作家による、コロンビアの絵本。

 

■ 作者について

文:メネナ・コッティン (MENENA COTTIN)

ベネズエラ、カラカス生まれ。ネウマン財団協会でグラフィック・デザインを学ぶ。その後、ニューヨークのパーソンデザインスクールで子ども向けの本の作家及びイラストコースを受講し、プラット協会でアニメを学ぶ。20冊以上の子どもの本と、大人向けの小説も手掛けている。

 

主な作品

1999年 さかさま(Al reves)、カメリア 出版社(Camelia Ediciones)ベネズエラ

 

2007年 ブラック・ブック(El libro negro de los colores)、テコロテ社(Ediciones Tecolote)メキシコ

 

2007年 バランス(Equilibrio)テコロテ社(Ediciones Tecolote)メキシコ

 

2007年 ミルクコップのダブルストーリー(La doble historia de un vaso de leche)テコロテ社(Ediciones Tecolote)メキシコ

 

2008年 いっぽんの線の感情(Emociones de una linea)テコロテ社(Ediciones Tecolote,)

 

2008年 すうじのほん(Numeros) テコロテ社(Ediciones Tecolote)

 

2008年 自然の宝庫(Arca de valores)テコロテ社(Ediciones Tecolote)

 

2010年 1以上1未満(Uno mas uno menos)テコロテ社(Ediciones Tecolote)

 

2013年 わたし(Yo)テコロテ社(Ediciones Tecolote)

 

2013年 ダブル、ダブル(Doble, Doble)テコロテ社(Ediciones Tecolote)

 

2015年 目をとじて、見てみよう(Cierra los ojos que vamos a ver)And Then Story Designers社 (Kindle版)

 

2015年 あのいろ このいろ(De otro color)SM社

 

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| 22:31 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
サイコーのおひるね チリ人作家によるスペインの絵本

 

サイコーのおひるね

 原書の情報

タイトルサイコーの おひるねLa siesta perfecta

作:パトリシオ・メナ (Patricio Mena)

出版社:2017 Nubes Ochos /スペインの出版社 

 

概要

 

昼間のジャングルは1日で いちばんあつい時間。すずしい風にさそわれて、おひるねしたくなったジャガーは、そばにいたアカハナグマにたのみます。「ちょっと ひるねが したいんだ。10分たったら、おこしてもらえるかい?」ところが、たのまれたアカハナグマも ねむくなってしまい、そばにいたオウムにたのみます。そしてオウムはナマケモノに。さて、ねむくなったナマケモノは・・・。リズミカルな文と繰り返しのフレーズで読み聞かせにぴったりの楽しい作品。Junior Library Guild selection、国際ラテンブック最優秀賞。

 

■ 作者について

文:パトリシ・メナ (Patricio Mena)

1980年生まれ。絵本作家、イラストレーター、漫画家。チリで生まれ育ち、現在はスペインのバルセロナで暮らしながら執筆やイラストの仕事を手がける。チリで出版した本は作、または絵のいずれかのみだったが、最近は作・絵ともに手がけたものもある。作品はアメリカ、メキシコ、中国などで出版されている。チリ政府クリエイティブ奨学金を二度受賞、イタリアのボローニャブックフェアではチリ公式代表団にも選出。最近はバルセロナの図書館をめぐりながら新たな絵本プロジェクトを準備中。

 

■ お話のいちぶ

おひるの ジャングルは 1にちで いちばんあついじかん。

 

ジャガーあつくて たまりません。

 

ふとそこへ、どこからともなく すずしいかぜが ふいてきました。

 

「おお!なんて いい風だ。おひるねには  もってこいだ!」

 

そのとき、ジャガーは 木のえだに すわっている

 

アカハナグマを みつけました。

 

「なあ、おまえに たのみがある。このあと、とてもだいじな ようじがあるんだ。

 

でも そのまえに、ちょっと ひるねが したい。

 

こんなに いい風がふいてるんだからな!

 

10ぷん たったら、おこしてもらえるかい?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ねえ、ナマケモノさん!わたしね、アカハナグマさんを おこしてあげることに なっているの。

 

それで アカハナグマさんは、ジャガーさんをおこすやくそくなの。

 

ジャガーさんは、すごく、すごくだいじな ようじがあるんですって。

 

でも そのまえに、ちょっと おひるねが したいのよ。だって、こんないい風なんだもの!

 

10ぷん たったら、おこしてくれる?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ナマケモノは、ねむけを ぐっと こらえます。

 

1ぷん、2ふん、3ぷん。

 

ー がまん、がまん。ー

 

こんな きびしい たたかいは はじめてのこと です。

 

4ぷん、5ふん、6ぷん。

 

さわさわと すずしい風が、ふいていきます。

 

7ふん、8ぷん、9ふん。

 

まぶたが ずっしり おもくなっていき…

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ジャングルを ふきぬける すずしい風

 

とつぜん すさまじい おとに…

 

ゴゴゴゴゴゴー

 

あまりに すごい いびきに、オウム アカハナグマ ジャガーは びっくりして とびあがりました。

 

なんと きっかり 10ぷんで!

 

| 14:53 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『メキシックー船の名前』スペインの絵本

Mexique

タイトル:メキシック ―船の名前― (Mexique−El nombre del barco)

文:マリア・ホセ・フェラーダ (María José Ferrada )絵:アナ・ペニャス(Ana Penyas)

出版社:2017年 LIBROS DEL ZORRO ROJO 社 

 

※ 『いっぽんのせんとマヌエル』の著者マリア・ホセ・フェラーダさんの最新作絵本です。

 

 

 

概要

1937年、スペイン内戦により共和国はのスペイン人の子どもたち456人は、メキシックという名の船にのり、ボルドーからメキシコのモレリアへ向かいました。当初3、4か月という予定でしたが、結局、故郷へ戻ることができず、亡命者としてメキシコで生きていくことを余儀なくされたのです・・・。戦争の犠牲者として故郷を奪われた子どもたちの運命を描いたノンフィクション絵本。

 

 

あとがき(一部抜粋)

1937年5月27日、共和国のスペイン人の子どもたち456人はメキシックという名の船にのり、メキシコのモレリアへむかいました。当時、国内の町をおそったスペイン内戦から国外へ集団疎開するためでした。3、4か月という当初の予定は、共和国の敗北と第二次世界大戦の始まりにより情勢が急変し、結局、子どもたちは故郷のスペインに戻ることなく「モレリアの子ども」として生きていく道をえらばざるをえなくなりました。

 

 

最初の数年は不安と心配の日がつづき、その後子どもたちは奇異感と理解に苦しみました。モレリアの子どもたちは戦争の痛みとトラウマを抱えています。さらに、その後もずっと彼らを苦しめたのは、 「捨てられた」 という思いでした。

 

 

「どこの国の人ですか?」 その質問には、おそらく彼ら自身も答えられないでしょう。亡命によって、その答えは奪われてしまったのです。モレリアの子どもたちだけでなく、たくさんの子どもたちが戦争という暴力によって国を追われ、助けを求めて故郷を捨てざるをえないのです。船をおりた後に待ちうけていた彼らの人生が、どうか幸せで素晴らしものであったことを、私たちは願うばかりです。

 

この本はある船についての物語です。しかし、人々をのせて日々海をわたるすべての船に記録が残されていいるわけではありません。船でわたる人々は、みんな希望をいだいています。そしてなにより大切なのは、だれもが幸せな人生をおくる権利があるということです。

 

 

■ 作者について

文:マリア・ホセ・フェラーダ (María José Ferrada) 

 

1977年、チリのテムコ生まれ。ジャーナリスト、作家。子ども向けの本を多く手がけ、作品はさまざまな国で出版されている。日本と日本文学が大好きで、スペインのバルセロナ大学アジア太平洋研究科修士課程を修了、源氏物語のスペイン語翻訳に関する論文を執筆した。チリ言語アカデミー賞、オリウエラ市子どものための詩賞など受賞歴多数。チリ軍事政権下で連れ去られ行方不明になった子どもたちへ捧げた本『こどもたち』は、2016年国際児童図書評議会(IBBY)オナーリストにも選ばれた。また2017年には、『庭』が、ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞を受賞。邦訳作品には、『いっぽんのせんとマヌエル(偕成社)』が、2017年に出版された。

 

 

絵:アナ・ペニャス (Ana・Penyas)

 

1987年、スペインのバレンシア生まれ。バレンシア工科大学で美術を専攻し工業デザインを学ぶ。2015年イベロアメリカイラスト特別賞、2016年イベロアメリカ・イラストカタログ最優秀賞を受賞。2017年、フナックーサラマンドラグラフィック国際小説賞受賞。2018年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選

 

 

 

 

おはなしの一部

 

 

夜、目をつむると、波に うたれているみたいだ。

 

波は 船に なにかいおうとしてるんだと思う。

 

―メキシック―、それが船のなまえ。

 

波は そのことを 知ってるの?

 

海は どんな船のなまえも ぜんぶ おぼえてるの?

 

 

 

どの国に むかっているのか、よく おぼえてない。

 

 

けれど、すごく とおいところ。

 

3、4か月ぐらい。 

 

「ちょっと ながいお休みのようなものよ。」 母さんは いった。

 

さよならするとき、母さんったら、ぼくのこと 「わたしの ぼうや」ってよんだ。

 

 

....

 

 

 

戦争は とてつもなく 大きな音だ。

 

戦争は 巨大な手で きみをひとつかみして、船のなかに ほおりこむ。

 

 

 

......

 

 

 

 

 

人の波のなか、ぼくは じぶんのカバンを しっかり つかんだ。

 

(カバンは ぼくのふるさとのいちぶ、家のようなもの。)

 

人波のなか、ぼくは クララの手を うしなった。

 

前にすすむんだ。戦争は もう すんだこと。

 

でも、ほんとうは ちがう。戦争は カバンのなかに もってきた。

 

| 21:28 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『このおはなし、なあに?』チリの絵本

adivinacuentos

 

 

タイトル: このおはなし、なあに? Adivinacuentos

 

出版社:リベラリア社(Liberalia)(チリの出版社)

 

出版念:2013年

 

作者(文): ベルタ・イネス・コンチャ(Berta Inés Concha

 

絵:ビルヒニア・ドノーソ(Virginia Donoso)

 

対象年齢:6 才〜

 

 

2015年 米国の読書推進団体「クアトロ・ガトス(Cuatrogatos:4匹の猫)」推薦図書選定

 

 

概要

 

絵にたくさんヒントが込められた昔話の名作30話「このお話しなあに?」は、子どもと一緒になぞなぞ形式で楽しむ絵本です。絵を介した楽しいアクティビティを通じて、想像力を高め好奇心を育てることを、この絵本は提案しています。1枚の絵に2話のお話がいっしょに描かれています。おばあさんの服を着たこわいオオカミ(赤ずきんちゃん)がチラリ横目で見ているのは「わがままな大男(オスカーワイルド作)」の足。「さんびきのくま(イギリス民話)」と同じ机にいるのは「おやゆびこぞう(グリム童話)」。遊びのツールとして親子で楽しめるだけでなく、世界の名作を知るきっかけとなり、そこから読書につながっていくきっかけをつくってくれるでしょう。

 

 

■作者について

 

文:ベルタ・イネス・コンチャ(Berta Inés Concha)

 

編集者、書店経営者。1997年に彼女が設立したチリの出版社リベラリア(Liberalia)社は、自国の書籍の出版および輸出のほかに、海外の児童書の輸入にも力を注いでいる。また、チリの大手書店「プロサ&ポリティカ(Prosa&Politica)」 の創設者でもあり、チリの読書推進活動にも力を注いでいる。本書はベルタ・イネス自らが昔話30話を選定し、お話にまつわるなぞなぞの詩を執筆している。

 

 

ビルヒニア・ドノーソ(Virginia Donoso)

 

1981年、チリのビーニャ・デル・マルに生まれる。チリカトリック大学で美術を学び、その後アルゼンチンでイラストや絵本の仕事に従事。現在はアルゼンチンおよびチリでイラストのワークショプを行いながら、子ども向けの絵本のイラストを数多く手がけている。仕事のコツは、文学を少々とユーモアを少々、それからたくさんの動物たち、そして特に大切なのは日常を愛すること。

 

■   目次

 

人魚姫(ハン・クリスチャン・アンデルセン)

 

みにくいアヒルの子(ハン・クリスチャン・アンデルセン)

  

ヘンゼルとグレーテル(グリム兄弟)

 

3びきのこぶた(古典物語)

 

ピノキオ(カルロ・コッローディ)

 

すずの兵隊(ハン・クリスチャン・アンデルセン)

 

さんびきのくま(古典物語)

 

おやゆびこぞう(シャルル・ペロー)

 

あかずきんちゃん(シャルル・ペロー)

 

わがままな大男(オスカー・ワイルド)

 

ブレーメンのおんがくたい(グリム兄弟)

 

ねむれる森の美女(グリム兄弟)

 

ハーメルンのふえふき男(古典物語)

 

ながぐつをはいたねこ(シャルル・ペロー)

 

塔の上のラプンチェル(グリム兄弟)

 

かえるの王子さま(グリム兄弟)

 

きどりやネズミ(古典物語)

 

ピーターパン(ジェームス・マシュー・バリー)

 

シンデレラ(シャルル・ペロー)

 

おおかみと七ひきのこやぎ(グリム兄弟)

 

アラジンとまほうのランプ(千夜一夜物語)

 

白雪姫(グリム兄弟)

 

はしれ トルティーリャ(古典物語)

 

オズの魔法使い(ライマン・フランク・ボーム)

 

エンドウ豆の上に寝たお姫さま(ハン・クリスチャン・アンデルセン)

 

ジャックと豆の木(古典物語)

 

アリとネズミのペレス(古典物語)

 

アリババと40人の盗賊(千夜一夜物語)

 

ゆうかんなちびの仕立て屋(グリム兄弟)

 

はだかの王さま(ハン・クリスチャン・アンデルセン)

 

 

■おはなしのいちぶ

 

お話との出会いは人との出会いのようなものです。声にだして読むお話しもあれば、言葉はなく絵で見せてくれるものもあります。言葉と絵を通じて思いもよらなかったものが見つかったり、想像する世界を楽しむことができるのです。この絵本にはたくさんの昔話が紹介されています。1枚の絵の中には、2つのお話しがまざっています。絵と文をそれぞれとりあげたり、ばらばらにしたり、くみあわせたりして楽しむことができるでしょう。この本はなぞなぞの絵本であり、詩をたのしむ本でもあるのです。さあ、どのお話しなのか分かったら頭の中でもう一度整理してみましょう。一つひとつのお話がよく分かってくると、ちがうお話しや似たお話しにおどろいたり、わらったりしながら学んでいくことができるでしょう。読んだり見たりしながら理解を深めていけば、世界はもっとよく分かりあえるようになるでしょう。

 

 

人魚姫

 

おんなの子でも 魚でもない。

 

ふしぎでしょ?

 

でも、おんなの子であって 魚でもある。

 

ただ、人間に なりたかった。

 

なぜって、恋をしたから。

 

ある日の夕方、

 

だいすきな海、友だち、海そうをすてた。

 

 

みにくいアヒルの子

 

どこでどうなったのやら、

 

たまごをうんだとき、

 

うっかりママは

 

巣でかんちがい。

 

ちがう家ぞくにうまれた子、

 

しんぱいに なった。

 

「なんて このこは みにくいの!」

 

時がたつにつれて、

 

首がすらりとのびていった。

 

こんどは みんな、口ぐちにいった。

 

「なんて うつくしい アヒルなの!」

 

 

ヘンゼルとグレーテル

 

家から はなれるにつれて

 

道に パンくずを おとしていった。

 

そして、ふかい森のおくで

 

ひとりの魔女にあった。

 

チョコレートでできた家、

 

けれど、しんせつな魔女では なかった。

 

クルミ、レーズン、おかしをたくさん くれたのは

 

まるまるふとらせて、夕ごはんに ペロリ たべちゃいたいから。

 

 

すずの兵隊

 

すずで つくられた かお、

 

すずの ハート、

 

ぼうしも剣も すず、

 

うわぎも、ズボンも。

 

 

一本足で しっかり たった

 

けれど 心は、きっと こう

 

うつくしい おどりこのためなら

 

いのちを かけても かまわない。

 

運命にもてあそばれ、

 

海にながされ、魚にたべられ

 

家にもどって、火のなかへ、

 

そこで また、すきな子に あえた。

 

 

ブレーメンのおんがくたい

 

ヒヒーンと ロバが いななくと、

 

ワンワン ワワンと ほえるこえ、

 

ニャーニャー おおきな なきごえに

 

コケコッコー と かんだかく。

 

なきごえは みごとに ばらばら

 

みんな おなかも ぺっこぺこ

 

だけど、こんなひどい 音とは

 

だれも おもっては いなかった。

 

ひどい 音のメロディに

 

どろぼうたちは びっくり ぎょうてん

 

耳をふさいで にげだした。

 

 

あわてて、つまずき ころびながら。

 

 

ピーターパン

ぼくが どこから やってきて

 

どこへいくのか、みんな しらない。

 

みどりの ようふくを いつも きて

 

永遠に おとなになんか ならないよ。

 

ぼくの あとに ついてきて

 

チックタックに 耳をすませて

 

それから、空をとぶときに

 

鐘の音を きいてごらん。

 

 

オズの魔法使い

あるひ、たつまきに とばされて

 

はるか かなたの ゆめの国へ。

 

そこで はじめて 出会ったのは

 

いっぴきの ライオンだったのです。

 

旅のとちゅうで、なかまが ふえた。

 

ブリキおとこ、カカシもいっしょ。

 

みんなで いっしょに すすんでいった。

 

はるか かなたの まほうの国へ。

 

にじのうまれる ところには、

 

まほうつかいが いるという。

 

おねがいしよう、家にかえりたい。

 

まほうつかいに たのんでみよう。

 

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ブラックブック―きいて、さわって、かんじる いろの本― ベネズエラ人作家のメキシコ絵本

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 原書の情報

タイトルブラック・ブック―きいて、さわって、かんじる いろの本(El libro negro de los colores/Black book of colores

文:メネナ・コッティン (MENENA COTTIN / 絵:ロサナ・ファリア(ROSANA FARÍA)

出版社:2007年 TECOLOTE 社/メキシコの出版社 16か国語に翻訳されている。

 

2007年 ボローニャ・ラガッツィ賞(ニューホライズン部門)

2008年 ニューヨークタイムズ優良絵本選定

2011年 IBBYバリアフリー絵本推薦図書

 

■ 概要

目の見えない少年トマスの言葉で綴る色を感じる絵本。黒い絵本をひらくと、見開きの左側の上部には点字が、下部には白い文字が書かれています。そして右側はエンボス加工した絵が触図になっています。詩のように流れる色鮮やかなくだりは、匂いや触感を使った美しい言葉で綴られています。目の見えない世界を知る絵本であり、色を感じる詩の絵本であり、点字つきさわる絵本でもあります。

 

iPad バージョン(のリンク)

 

(iPadバージョンについて)                                  

また、iPad バージョンで刊行した電子版は、すばらしい作りです。

構成は 「みつけるDescubre」、「楽しむDisfruta」、「伝えるComunica」の3要素からなっています。

 

「みつけるDescubreでは、指の腹で点示をなぞると、ツツツツーという音とともに文字が現れます。つまり点字が文字に翻訳されるのです。次のページでは真っ黒なページが現れ、これを指でなぞると黒で隠れていた絵が徐々に現れる仕組みになっています。絵が現れるに従ってヒーリング音楽が流れるのですが、それは画面に現れる自然の音に似た美しさを奏でた曲です。

 

「楽しむDisfrutaは、『聞く』と『読む』の2構成になっていて、『聞く』を選ぶと、点字に沿って本のナレーションが流れます。場面に沿った絵が動いて現れるのも魅力です。『読む』を選ぶと、通常の本のように文字が現れます。ベネズエラの名曲『満月Luna llena』の音楽がバックに流れて、場面ごとに絵が現れて動きます。

 

「伝えるComunicaを選ぶと、点字付きのキーボードが現れ、文字を打つと点字に自動変換してくれます。そのまま点字のメールを送ることができるようになっています。

 

光がない世界を知りながら点字に親しみ、コミュニケーションツールとなる作品になっています。

 

■ 作者について

 

文:メネナ・コッティン (MENENA COTTIN)

ベネズエラ、カラカス生まれ。ネウマン財団協会でグラフィック・デザインを学ぶ。その後、ニューヨークのパーソンデザインスクールで子ども向けの本の作家及びイラストコースを受講し、プラット協会でアニメを学ぶ。20冊以上の子どもの本と、大人向けの小説も手掛けている。

 

絵:ロサナ・ファリア(ROSANA FARÍA

1963年ベネズエラ、カラカス生まれ。ネウマン財団協会でグラフィック・デザインを学び、その後、デザイナー、イラストレーター、アートディレクターとして数々の出版社や企業で活躍。1990年以降、子どもの本を多く手掛けるようになる。本書『ブラック・ブック』でボローニャ・ラガッツィ賞(ニューホライズン部門)受賞、ニューヨークタイムズ優良絵本選定。

 

 

■ おはなしのいちぶ

トマスは、いう。きいろは、マスタードのあじ。

でも、ひよこの はねのように ふわふわ。

 

あかは、ノイチゴみたいに すっぱくて、スイカみたいに あまい。

それから、ひざこぞうを すりむいたときの ひりひりした いたみ。

 

・・・・

 

でも、くもが そらをすっぽり おおって、

とつぜん あめが ふりだすと、そらは しろくなる。

 

・・・・

 

でも、やっぱり いろの おうさまは くろ。

ママに ぎゅっと してもらうとき、ながいかみに つつまれて

くろは きぬのように すべすべしている。

 

トマスは、どのいろも みんな だいすき。

いろは きいて におって さわって あじわうものだから。

 

 

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いっぽんのせんとマヌエル チリの絵本

いっぽんのせんとマヌエル

 

タイトル:いっぽんのせんとマヌエル

文:マリア・ホセ・フェラーダ(María José Ferrada)

絵:パトリシオ・メナ(Patricio Mena

発行年:2017年 

出版社:偕成社

 

チリの絵本の翻訳を担当させていただきました。ゆっくり、じっくり時間をかけて、チリ在住の作家さんとスペイン在住の画家さんと、日本在住の編集者の方とチームになって、監修の先生のご指導のもとで、ピクトグラムの日本語バージョンを修正したり、新しく追加したりしました。一緒に本づくりに携われてとても幸せです。

 

そしてチリの絵本作家マリア・ホセさんと画家のパトリシオさんの来日プロモーションが決まりました!!

イベントのお申込みはこちらから!

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

Los autores chilenos, María José Ferrada y Patricio Mena vendrán al Japón para presentar la promoción del libro!

 

  • 概要
マヌエルは、線が大すきなおとこの子です。線を通して、マヌエルは自分の世界を認識します。町にはたくさんの線があって、線をたどって学校へはいったり、川をわたったり、窓から外を見たりします。独自の方法で、自分の周りにあるものを見つけていく自閉症の男の子マヌエルの1日をシンプルに描いた絵本です。

 

 

著者が「線」が好きな自閉症の男の子マヌエルくんと知り合ったことによって生まれた絵本。いっぽんの線が基調になって、短い言葉とシンプルでかわいいイラストにより、ストーリーが進行していきます。日本版には、文字やお話の内容の理解の助けとなる「ピクトグラム(言葉を絵で表現した絵文字)」がついています。ピクトグラムは絵本のイラストレーター自身によるものです。コミュニケーションが難しい自閉症の子は、すきなものをとおして、まわりから受けとる情報を整えたりすることもあります。日本の裏がわチリからやってきた作品。さまざまな子どもたちに、楽しんでいただきたい絵本です。

 

■本の特徴

・ シンプルなストーリーであること。

・ ピクトグラムが、絵本の画家自身の絵によるために、絵本の絵とうまく融合していること。

・ 違った視点でも楽しめることで、全ての子どもたちが楽しめる絵本になっていること。

 

 

本の成り立ち (マヌエルの母親のブログから)

『いっぽんのせんとマヌエル』 が出版されるまでの間、早期療育センターに通うこの本の主人公と子どもたちは、本作りの様々な過程でこの本に関わることができました。そして作家のマリア・ホセ・フェラーダと、画家のパトリシオ・メナに、自閉症の子たちのテキストや絵の理解度について情報を提供し、読者対象に関わる人々の厳しい意見を加えながら試行錯誤を重ねてきました。 ストーリーは、マヌエルの特別な関心である“線”が話の筋となり、彼の特別な視界で日常が成り立っています。線は私を含め、様々な中心部を通っていきます。指で線をたどってお話を見るのは、彼らにとっては自然なことですが、こうした本を見るのは初めてのことです。 線に魅了される子は、マヌエルだけではありません。線をたどることは視覚目的をたどることであり、自閉症の人々の楽しみや遊びの中で生まれる感覚を認識する基本でもあるのです。視覚による遊びは様々な治療法に取り入れられており、今回、線はお話を読むことができるようになるための鍵になっています。 

 

 

■作家 マリア・ホセ・フェラーダ によるエッセイ

チリの非営利組織 児童文学読書推進センター “FUNDACION LA FUENTE” 掲載記事

お話に関する権利について

 

マヌエルは自閉症の男の子です。彼の母親であるオルガは本が大好きで、いつもマヌエルにお話を読み聞かせしてあげたいと思っていました。そんなある日のこと、オルガはカランドラカ社のマカキーニョシリーズ(Makakiño)の存在を知ったのです。このシリーズは、特別な教育を必要とする子どもたちのために考えられた絵本です。オルガは言います。「この本は、私がお話を読むのを楽しむように、どんな子もお話として楽しめるようにつくられています。それは誰にでも権利があるという意味でもあると思うのです」

 

私は知的障害を持つ子どものための本作りを学ぶために、奨学金を得てスペインへ行きました。ことの始まりは、それ以前にバルセロナで数年間学んでいた時のことが関係しています。当時、スペインに滞在していた時、いくつか掛け持ちで仕事をしていたのですが、その一つが障害者施設で子どもたちの世話をする仕事でした。その施設は、さまざまな知的障害を持つ子どもたちが暮らす場でした。子どもたちの中には、一言も話すことができない子や、地下鉄の駅や犬や時計の音などに固執する子もいました。私は子どもたちにトイレの世話をしたり、歯を磨いたり、映画を観に連れて行ったり、公園に散歩へ連れて行ったりしました。

 

この施設についた初日、私はもうここへは来ないだろうと思いました。私にはダウン症の叔父がいます。彼のことは大好きですし、彼と話すととても楽しいのですが、それとこれとは別の問題でした。私が直面したのは、社会の周縁の現実といったものでした。1人でトイレにいけない。食べものをこぼさずに食事ができない。道を歩いたり、起きていることを説明したりといった些細なことができない。

 

これについて思うところがあり、私はもう一度施設へ足を運びました。それから、もう一度、もう一度と続いて通うようになり、結局、チリに帰国するまでこの施設で働きました。今思い出すのは、仕事であった以上に、この世界で尊厳ある暮らしをおくれるように、お互いにとって必要なこととは何かを多く学びました。このテーマについてさらに理解を深めたかったので、できるだけ多くの人と話しをしてきました。先生、編集者、イラストレーターの方々。けれど、何より私が関心を寄せられたのは、ある動画での母と子の会話でした。その動画に、私は一気に引き込まれました。 それは母親と息子が、カランドラカ社のマカキーニョシリーズの絵本でピクトグラム版の『おしゃれなネズミちゃん』を読んでいる場面でした。男の子の名前はマヌエルです。2年前、自閉症と診断されました。母親の名前はオルガ・ラリン。彼女は「山のように高い、高い(Alto, alto como una montaña)」というブログを書いています。このタイトルは、マヌエルが公園の遊具で高いものを表す時に使うフレーズです。マヌエルは、カランドラカ社の同シリーズにある、ピクトグラム版の他の絵本で描かれているメタファーを使っていたのです。

 

マヌエルの様々な分野での上達はとても印象的でした。彼のような診断を受けた人々について、私たちは少しでも彼らについて知ることができ、そして、彼らには達成できることがたくさんあるのだということが分かったのです。私は母親のオルガと喫茶店で会って話をしました。彼女は勇気ある寛容な素晴らしい女性です。彼女は涙ながらに語ってくれました。自閉症という診断は、受け入れ難いものとは相反するものだということを。― 子どもに対して抱いていた夢の数々や、たくさんの扉が閉ざされてしまう ― それは恐怖。大変な困難。この難事に取り組むことは不可能…。本が大好きなオルガは、自分の子どもに本を読み聞かせすることを夢見てきました。けれど、それは決して叶わないことだと思っていたのです。

 

診断から2年、そこには絵本『おしゃれなネズミちゃん』を読む母であるオルガとマヌエルの姿がありました。オルガは語ってくれました。「扉が閉まれば、別の扉が開かれる。今、私には、マヌエルや同じ環境下の子どもたちに対しての責務があると思っています。」 そして、オルガはマヌエルのセラピストと一緒にブログを開始しました。ブログでは、マヌエルに関する日常、言葉への関心など、彼女はたくさんのことを語っています。閉ざされたと思っていた世界に、忍耐と努力と愛情があれば、その世界へ到達することができるのです。マヌエルについて語っているのは、小さな進展の積み重ねの一部です。けれど自閉症の子やその家族にとっては測り知れない進歩なのです。

 

その頃、私は子どものためのお話しを書いていました。今まで、子どもたちが決して読んだことのないお話を作りました。私の書いた詩や言葉には、自閉症や小児麻痺で非常に困難な状況にある人たちへ向けたものもあります。また、お話しを読むことについても、私はずっと考えてきました。今でも、これについて考えています。単純に楽しむ目的でお話を楽しむことは、尊厳に関わることでもあるのです。あの子たち、つまり福祉施設の子どもたちに、私は多くの恩があると思っています。

 

オルガは私に話してくれました。「喫茶店にいった時など、本はマヌエルの注意を引きつけるのにも役立っています。本を読むと、物語に集中しています。それがどんなに意味のあることか。さらに本は、彼を取りまく世界の認識を広めるためでもあります。けれど何よりもまず、私が本を楽しむように、どんな子もお話を楽しむように、彼にも楽しんでもらえたらと思うのです。なぜなら、それはすべての人々にある権利のようなものだと思うのです。」

 

マヌエルは、地元ではみんなから知られています。オルガは、自分の話をブログで伝えてきました。当初、自閉症の子どもは他にいないと思っていたのですが、他にもいることが分かりました。自閉症の子たちの親が彼女のブログに訪問し、彼女の話を知ることで、寄り添ってもらえる気持ちになれるのです。彼女のブログは誠実な語りで、そうあるべきだということを探すものではなく、自閉症と身近に暮らすということが書かれています。 最後に喫茶店で、私たちにはお互いにやるべきことがたくさんあるという話で終わりました。自閉症について知ること、そして彼らに通じる読書というものについて。今はまだ、はじまったばかりです。マヌエルや他の子どもたちのために、するべきことはたくさんあります。もちろん私たちにとっても、自分たちの世界に様々な人がとけこんでいくにつれて、本当に豊かな世界になっていくのです。次の土曜日、私はマヌエルに会いにいきます。5つの言葉以内で書かれたお話を持っていく約束をしています。それは、もうすぐ始まる春についてのお話。

 

 

■作者について:

文:マリア・ホセ・フェラーダ 1977年、チリのテムコ生まれ。ジャーナリスト、作家。子ども向けの本を多く手がけ、作品はさまざまな国で出版されている。日本と日本文学が大好きで、スペインのバルセロナ大学アジア太平洋研究科修士課程を修了、源氏物語のスペイン語翻訳に関する論文を執筆した。チリ言語アカデミー賞、オリウエラ市子どものための詩賞など受賞歴多数。チリ軍事政権下で連れ去られ行方不明になった子どもたちへ捧げた本『こどもたち』は、2016年の国際児童図書評議会(IBBY)オナーリスト(文学作品部門)にも選ばれている。『いっぽんのせんとマヌエル』は、初めての邦訳本である。

 

絵:パトリシオ・メナ 1980年生まれ。絵本作家、イラストレーター、漫画家。チリで生まれ育ち、現在はスペインのバルセロナで暮らしながら執筆やイラストの仕事を手がける。チリで出版した本は作、または絵のいずれかのみだったが、最近は作・絵ともに手がけたものもある。作品はアメリカ、メキシコ、中国などで出版されている。チリ政府クリエイティブ奨学金を二度受賞、イタリアのボローニャブックフェアではチリ公式代表団にも選出。最近はバルセロナの図書館をめぐりながら新たな絵本プロジェクトを準備中。

 

 

 

 

マヌエルチラシマヌエルチラシ裏

 

 

 

 

 

 

| 06:46 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『いっぽんのせんとマヌエル』出版記念交流会のお知らせ

チリ発の絵本『いっぽんのせんとマヌエル』(8月下旬発売予定)の刊行を記念して、著者マリア・ホセ・フェラーダさんと、画家パトリシオ・メナさんのウェルカムパーティが開催されます。

 

この絵本は、著者のマリアさんが、「線」が好きな自閉症の男の子マヌエルくんと知り合ったことによって生まれた絵本です。日本版には、文字やお話の内容の理解の助けとなる「ピクトグラム(言葉を絵で表現した絵文字)」がついています。

 

どなたでも参加できますので、お気軽にお問合せください。

 

 マリアホセさん写真  

 

日時: 2017 年 9 月 4 日(月) 
18:30−20:30 (開場 18:00) 
場所: 川崎汽船株式会社 15 階 KLINE CAFÉ 
東京都千代田区内幸町 2-1-1 
会費: お一人様 4,000 円 
※記念品として本がつきます。

 

お問い合わせ先:
日本チリ協会 事務局
andes@krc.biglobe.ne.jp

| 15:54 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『トマスはどこ?』ペルー人作家ミカエラ・チリフの絵本

トマスはどこ?  トマスはどこ?No.2 

 

 

タイトル: トマスは、どこ?(¿Dónde está Tomás?

出版社:エカレ・スール社(Ediciones Ekare Sur

出版念:2016年

文 : ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif 

絵:レイレ・サラベリア (Leire Salaberria)

対象年齢:3 才〜

 

 概要(出版社ブログから)

トマスは、かくれんぼが だいすき。「トマスはどこ?」 ママが家のなかを あちこちさがしているあいだ、トマスははるか遠い世界へイマジネーションの旅をしています。かいじゅうのおもちゃは、火山の噴火の中でかいじゅうたちを眺める台地へトマスを連れていき、ユニコーンのおもちゃとゴリラの時計は、ユニコーンに乗りゴリラたちのいるジャングルへ、バケツは月旅行へ向かう宇宙飛行士のヘルメットに、鳥の絵のシャワーカーテンは南の島へ向かう鳥の群れとなり、さいごはなんとベッドカバーにいたたジャガーとおしゃべりを楽しんで…。

 

「トマスはどこ?」と繰り返されるたびにトーマスが体験するイマジネーションの旅は、レイレ・サラべリアの色鮮やかな見事なイラストで描かれています。彼女のイラストは身の回りにある身近なモノに親しみを湧かせるだけでなく、冒険の旅の楽しさも読者に伝えてくれます。

 

 

この絵本は、子どもたちにとって想像の船に乗ってトマスと旅する遊びの絵本でありながらも、大人たちもまたこの絵本の凝ったしくみに驚かずにはいられないでしょう。現実と想像の世界を行き来し、かくれんぼから始まるちょっとした目配せからダイナミックな遊びへ繋がっていきます。夢と現実が入り交じる(日常と非日常が融合する)『魔術的リアリズムMagishcer Realismus』の魅力に触れる作品です。

 

 

 

 

あらすじ

トマスは、かくれんぼが だいすき。いたずらっこのトマスのかくれ場所は台所、洗濯場、トイレ、ベッドの中、おもちゃ箱・・・。ママが家中をあちこち探しまわっている間、トマスは想像の旅の真っ最中。大昔の火山の噴火をながめたり、ゴリラがくらすジャングルでユニコーンの背にのったり、宇宙飛行士になって宇宙を旅したり、南の島の空をとんだり、ジャガーとおしゃべりしたり・・・。

 

こんがりケーキが焼けた頃、とうとうママはおもちゃ箱の中にいたトマスを見つけました。トマスは身の回りにあるものにインスピレーションを受けてイマジネーションの旅をしていたのです。 ところが、夢を見ていたのは、どうやらトマスだけではなかったみたい・・・。

 

 

 

 

■ 作者について

文:ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif)

ペルー、リマ生まれ。詩人、絵本作家。子どもに関する文化プロジェクトのコーディネーターとして、ウェブサイトから書籍選集に至るまでさまざまなメディアで活躍。大人向けの詩集も出版している。

 

主な作品

詩集

2001年 『帰路で(De vuelta)』

2008年 『ありふれた空』

2012年 『枕に頭をのせて(Sobre mi almohada una cabeza)』

 

絵本

2008年 『アントニオさんとアホウドリ(Don Antonio y el albatros』ホセ・ワタナベ氏との共著

2008年 『おやすみなさい、マルティーナ(Buenas noches, Martina)』ホワイトレイブン選定

2010年 『ことばのかたちについて(En forma de palabras)』

2011年 『かるわざし(El contorsionista)』

2013年 『あさごはん(Desayuno)』ホワイトレイブン選定、ブラジルで翻訳出版される

2013年 『いいこにして、マストドン!(Ma's te vale mastodonte)』

第17回絵本コンクールで、「風の岸辺賞(A la orilla del viento)」受賞作品

 

絵:レイレ・サラベリア (LEIRE SALABERRIA)
1983年、スペインのアンドアイン生まれ。ビルバオの大学で美術を専攻、その後バルセロナの大学院で児童向けイラストレーションとグラフィックデザインを学ぶ。2012年ボローニャブックフェア入選、2013、2014年 イベロアメリカ・イラストカタログ入選、2014年 シャルジャ国際ブックフェア特別賞受賞。彼女の絵本はスペインをはじめメキシコ、イタリア等で出版されている。

 


  • おはなしのいちぶ

 

トマスは、かくれんぼが だいすき。

 

 

さて、どこにかくれたかな?

 

 

 

 

ママが、トマスをさがしています。

 

「トマス!トマス!」

 

 

 

 

でも、トマスには、きこえません。

 

だって、火をふく山がみえるから!

 

 

 

 

。。。

 

 

 

トマスったら、とおくへ いってしまったの?

 

 

 

ええ!トマスはとおいとおいところにいました。

 

月のまわりを、ふわふわうかんでいます。 

 

 

 

 

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『おはなと おはなを くっつけて』 ーアルゼンチンの絵本ー

おはなとおはなをくっつけて

 

■    原書の情報

 

タイトル:おはなとおはなをくっつけて(Trompa con trompita)

 

文: ホルヘ・ルハン 絵:マンダナ・サダト

 

発行年:2016年 

 

出版社:Capital Intelectual 社(アルゼンチンの出版社)

 

スペイン語版の他、英語の翻訳出版も刊行されています。

 

 

 

■    概要

詩人ホルヘ・ルハンと画家マンダナ・サダトの素晴らしいコンビが手掛けた幼児向けの詩の絵本。おかあさんとこどもをテーマに、いろいろな動物が登場し、優しさと遊び心に富んだ素敵な世界を紹介しています。

 

 

■   作者について

 

ホルヘ・ルハン(Jorge Lujan)

 

作家、詩人、ミュージシャン。アルゼンチン・コルドバ生まれ。コルドバ大学建築学科を卒業。現在は、家族とともにメキシコシティーで暮らしている。世界の画家たちと絵本作りのワークショップを行い、その著作は世界中で刊行されている。1995年、アルゼンチン児童図書評議会(ALIJA)の「子どものための詩賞(el Premio de Poesia para Ninos)を受賞。2005年には、本書で、絵のマンダナ・サダトとともにメキシコ出版産業会議所の「編集芸術賞(el Premio al Arte Editorial)」を受賞した。

 

邦訳作品

 

2009年 『ふゆのゆうがた』 講談社(作:ホルヘ・ルハン、絵:マンダナ・サダト)

 

2014年『エステバンとカブトムシ 』 BL出版 (作:ホルヘ・ルハン、絵:キアラ・カッレル)

 

2016年『わんわんスリッパ 』 ワールドライブラリー (詩:ホルヘ・ルハン、絵:イソル)


 

 

■  画家マンダナ・サダト(Mandana・Sadat

 

http://www.mandana.fr/

 

絵本作家。イラン人の父親とベルギー人の母親との間にブリュッセルで生まれる。1996年ボローニャ国際絵本原画展で入選、クレティアンド・ド・トロワ賞を受賞。国際的に高い評価を得る。現在はパリに住み、絵本作家、イラストレーターとして活躍。

 

 

 

邦訳作品

 

2009年 『ふゆのゆうがた』 講談社(作:ホルヘ・ルハン、絵:マンダナ・サダト)

 

2010年 『ぼくのライオン』 新教出版

 

 

■ おはなしのいちぶ

 

おはなと おはなを くっつけて

 

アザラシのおかあさんと あかちゃん、

 

これが いちばん あったかい

 

もうふも いらないよ。


 

 

ママの め のなかに、ぼくがいる

 

ちっちゃな ぼくが みえる。

 

だから、ママは ぼくのこと

 

チビちゃん…ふくろうチビちゃんって よぶんだね。


 

 

サバンナの ゆうがた

 

ゾウのおかあさんが パオーンってなくと、

 

ゾウのあかちゃんが タンタンはしって かえってくる

 

おはなと

 

おはなを

 

くっつけて

 

ゾウのおかあさんと あかちゃん。

 

 

| 16:10 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
くさりにつながれたゾウ 〜スペインの絵本〜

el elefante encadenado

■ 原書の情報

タイトル:くさりにつながれたゾウ(EL ELEFANTE ENCADENADO

文:ホルヘ・ブカイ (JORGE BUCAY) / 絵:グスティ(GUSTI)

出版社:SERRES社/スペインの出版社 (メキシコでも出版されている。)

 

2010年、IBBYスペインのイラスト部門での優良図に選定

 

■ 本書について

あきらめない気持ちを持つ大切さを問うおはなし。

 

■ 概要

「どうしてゾウのようにおおきな動物が、サーカスがおわると、ちっぽけなくいに つながれたままでいるの?」 男の子の疑問に、答えられる人は誰もいません。ところがある日、賢者が答えを見つけてくれます。サーカスのゾウがにげないのは、小さな頃からずっとくさりにつながれていたからだ、と。

 

男の子は気づきます。サーカスでみた おおきなちからづよいゾウが、どうして、くさりにつながれたままでいるのか。それは、杭につながれたまま、もう けっして自由になれないって、自分で決めつけてしまったからなのだと。どうせできっこない、そんな失敗した記憶をひきずって、自分の力を決して試そうとしなかったんだと。

 

男の子は、夢の中で、そっとゾウに近づいて、耳元でささやきます。「ねえ、しってる?きみはぼくにそっくりだよ。じぶんはできないことがたくさんあるっておもってるでしょ。でもね、ずっとまえ、たった1かいできなかっただけ。あれからずいぶんじかんは たったんだよ。もう、きみはおおきくなって、むかしよりずっとちからもちなんだ。ほんとうに自由になりたかったら、できるんだ。ほんとうさ。なぜ、やってみようとしないんだい?」

 

 

アルゼンチン出身のベストセラー作家とスペイン在住のアルゼンチンイラストレーターのコンビの作品。

 

 

■ 作者について

ホルヘ・ブカイ
1949年アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。医師精神病理学)、ゲシュタルト・セラピスト、心理療法劇作家。ゲシュタルト療法を基にした独自のセラピーを展開し、講演やセミナーを開催するなど国内外で幅広く活動。その著作はスペイン語圏で大ベストセラーとなり、各国語に翻訳されている 

 

邦訳作品

2005年 『寓話セラピー―目からウロコの51話 』めるくまーる

 

2009年 『御者エル・コチェーロ ― 人生の知恵をめぐるライブ対話』新曜社 共著

 

グスティ

1963年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。スペイン及びラテンアメリカ諸国の第一線で活躍するイラストレーター兼絵本作家。彼の作品は20カ国以上の国で出版され、BIB金のりんご賞、スペイン国民イラスト賞、ミュンヘン国際児童図書館の優良図書推薦リストやIBBY障害児図書資料センター推薦図書リストに選出されるなど国際評価も高い。また、南米アマゾンの先住民と生活を共にしたり、オウギワシの生態調査や、絶滅危惧種であるスペインオオヤマネコの保護プロジェクトに関わる等、さまざまな活動にも参加している。バルセロナ在住。

 

邦訳作品

『なかよくなんかならないよ』文出版局2000年4月

文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ

 

こいぬのテントシリーズ(文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ)

『テントとおともだち』ポプラ社 2002年2月

『テントのちいさなはな』ポプラ社 2002年2月

『テントはあかちゃんじゃないよ』ポプラ社 2002年5月

『テントとまねっこおばけ』ポプラ社 2002年5月

『テントがとってもこわいもの』ポプラ社 2002年6月

『テントのガールフレンド』ポプラ社 2002年6月

 

『ハエくん』(作、絵:グスティ)フレーベル館 2007年

『はらぺこライオン エルネスト』 ワールドライブラリー 2016年

 

 

 おはなしのいちぶ

 

ちいさかったころ、

 

ぼくは サーカスのまほうの せかいが

 

だいすきだった。

 

まちからまちへ、サーカスのいちだんが たびをする。

 

わくわくしながら、ぼくはどうぶつにちかづいた。

 

すこしでも、ちかくで みていたかったから。

 

 

なかでも、ゾウのショーは

 

ぼくの いちばんの おきにいりだった。

 

・・・・・・・

 

サーカスのゾウがにげないのは、

 

とっても ちいさなときから、

 

ずっと くさりに つながれていたからなんだ。

 

・・・

 

「ねえ、しってる?きみは ぼくに そっくりだよ。

 

じぶんは できないことが たくさんあるって おもってるでしょ。

 

でもね、ずっとまえ、たった1かい できなかっただけ。

 

 

 

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