スペイン語の絵本(ラテンアメリカやスペインの絵本)と日本語の絵本についてと、日常のあれこれをつづります。
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いっぽんのせんとマヌエル チリの絵本

いっぽんのせんとマヌエル

 

タイトル:いっぽんのせんとマヌエル

文:マリア・ホセ・フェラーダ(María José Ferrada)

絵:パトリシオ・メナ(Patricio Mena

発行年:2017年 

出版社:偕成社

 

チリの絵本の翻訳を担当させていただきました。ゆっくり、じっくり時間をかけて、チリ在住の作家さんとスペイン在住の画家さんと、日本在住の編集者の方とチームになって、監修の先生のご指導のもとで、ピクトグラムの日本語バージョンを修正したり、新しく追加したりしました。一緒に本づくりに携われてとても幸せです。

 

そしてチリの絵本作家マリア・ホセさんと画家のパトリシオさんの来日プロモーションが決まりました!!

イベントのお申込みはこちらから!

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

Los autores chilenos, María José Ferrada y Patricio Mena vendrán al Japón para presentar la promoción del libro!

 

  • 概要
マヌエルは、線が大すきなおとこの子です。線を通して、マヌエルは自分の世界を認識します。町にはたくさんの線があって、線をたどって学校へはいったり、川をわたったり、窓から外を見たりします。独自の方法で、自分の周りにあるものを見つけていく自閉症の男の子マヌエルの1日をシンプルに描いた絵本です。

 

 

著者が「線」が好きな自閉症の男の子マヌエルくんと知り合ったことによって生まれた絵本。いっぽんの線が基調になって、短い言葉とシンプルでかわいいイラストにより、ストーリーが進行していきます。日本版には、文字やお話の内容の理解の助けとなる「ピクトグラム(言葉を絵で表現した絵文字)」がついています。ピクトグラムは絵本のイラストレーター自身によるものです。コミュニケーションが難しい自閉症の子は、すきなものをとおして、まわりから受けとる情報を整えたりすることもあります。日本の裏がわチリからやってきた作品。さまざまな子どもたちに、楽しんでいただきたい絵本です。

 

■本の特徴

・ シンプルなストーリーであること。

・ ピクトグラムが、絵本の画家自身の絵によるために、絵本の絵とうまく融合していること。

・ 違った視点でも楽しめることで、全ての子どもたちが楽しめる絵本になっていること。

 

 

本の成り立ち (マヌエルの母親のブログから)

『いっぽんのせんとマヌエル』 が出版されるまでの間、早期療育センターに通うこの本の主人公と子どもたちは、本作りの様々な過程でこの本に関わることができました。そして作家のマリア・ホセ・フェラーダと、画家のパトリシオ・メナに、自閉症の子たちのテキストや絵の理解度について情報を提供し、読者対象に関わる人々の厳しい意見を加えながら試行錯誤を重ねてきました。 ストーリーは、マヌエルの特別な関心である“線”が話の筋となり、彼の特別な視界で日常が成り立っています。線は私を含め、様々な中心部を通っていきます。指で線をたどってお話を見るのは、彼らにとっては自然なことですが、こうした本を見るのは初めてのことです。 線に魅了される子は、マヌエルだけではありません。線をたどることは視覚目的をたどることであり、自閉症の人々の楽しみや遊びの中で生まれる感覚を認識する基本でもあるのです。視覚による遊びは様々な治療法に取り入れられており、今回、線はお話を読むことができるようになるための鍵になっています。 

 

 

■作家 マリア・ホセ・フェラーダ によるエッセイ

チリの非営利組織 児童文学読書推進センター “FUNDACION LA FUENTE” 掲載記事

お話に関する権利について

 

マヌエルは自閉症の男の子です。彼の母親であるオルガは本が大好きで、いつもマヌエルにお話を読み聞かせしてあげたいと思っていました。そんなある日のこと、オルガはカランドラカ社のマカキーニョシリーズ(Makakiño)の存在を知ったのです。このシリーズは、特別な教育を必要とする子どもたちのために考えられた絵本です。オルガは言います。「この本は、私がお話を読むのを楽しむように、どんな子もお話として楽しめるようにつくられています。それは誰にでも権利があるという意味でもあると思うのです」

 

私は知的障害を持つ子どものための本作りを学ぶために、奨学金を得てスペインへ行きました。ことの始まりは、それ以前にバルセロナで数年間学んでいた時のことが関係しています。当時、スペインに滞在していた時、いくつか掛け持ちで仕事をしていたのですが、その一つが障害者施設で子どもたちの世話をする仕事でした。その施設は、さまざまな知的障害を持つ子どもたちが暮らす場でした。子どもたちの中には、一言も話すことができない子や、地下鉄の駅や犬や時計の音などに固執する子もいました。私は子どもたちにトイレの世話をしたり、歯を磨いたり、映画を観に連れて行ったり、公園に散歩へ連れて行ったりしました。

 

この施設についた初日、私はもうここへは来ないだろうと思いました。私にはダウン症の叔父がいます。彼のことは大好きですし、彼と話すととても楽しいのですが、それとこれとは別の問題でした。私が直面したのは、社会の周縁の現実といったものでした。1人でトイレにいけない。食べものをこぼさずに食事ができない。道を歩いたり、起きていることを説明したりといった些細なことができない。

 

これについて思うところがあり、私はもう一度施設へ足を運びました。それから、もう一度、もう一度と続いて通うようになり、結局、チリに帰国するまでこの施設で働きました。今思い出すのは、仕事であった以上に、この世界で尊厳ある暮らしをおくれるように、お互いにとって必要なこととは何かを多く学びました。このテーマについてさらに理解を深めたかったので、できるだけ多くの人と話しをしてきました。先生、編集者、イラストレーターの方々。けれど、何より私が関心を寄せられたのは、ある動画での母と子の会話でした。その動画に、私は一気に引き込まれました。 それは母親と息子が、カランドラカ社のマカキーニョシリーズの絵本でピクトグラム版の『おしゃれなネズミちゃん』を読んでいる場面でした。男の子の名前はマヌエルです。2年前、自閉症と診断されました。母親の名前はオルガ・ラリン。彼女は「山のように高い、高い(Alto, alto como una montaña)」というブログを書いています。このタイトルは、マヌエルが公園の遊具で高いものを表す時に使うフレーズです。マヌエルは、カランドラカ社の同シリーズにある、ピクトグラム版の他の絵本で描かれているメタファーを使っていたのです。

 

マヌエルの様々な分野での上達はとても印象的でした。彼のような診断を受けた人々について、私たちは少しでも彼らについて知ることができ、そして、彼らには達成できることがたくさんあるのだということが分かったのです。私は母親のオルガと喫茶店で会って話をしました。彼女は勇気ある寛容な素晴らしい女性です。彼女は涙ながらに語ってくれました。自閉症という診断は、受け入れ難いものとは相反するものだということを。― 子どもに対して抱いていた夢の数々や、たくさんの扉が閉ざされてしまう ― それは恐怖。大変な困難。この難事に取り組むことは不可能…。本が大好きなオルガは、自分の子どもに本を読み聞かせすることを夢見てきました。けれど、それは決して叶わないことだと思っていたのです。

 

診断から2年、そこには絵本『おしゃれなネズミちゃん』を読む母であるオルガとマヌエルの姿がありました。オルガは語ってくれました。「扉が閉まれば、別の扉が開かれる。今、私には、マヌエルや同じ環境下の子どもたちに対しての責務があると思っています。」 そして、オルガはマヌエルのセラピストと一緒にブログを開始しました。ブログでは、マヌエルに関する日常、言葉への関心など、彼女はたくさんのことを語っています。閉ざされたと思っていた世界に、忍耐と努力と愛情があれば、その世界へ到達することができるのです。マヌエルについて語っているのは、小さな進展の積み重ねの一部です。けれど自閉症の子やその家族にとっては測り知れない進歩なのです。

 

その頃、私は子どものためのお話しを書いていました。今まで、子どもたちが決して読んだことのないお話を作りました。私の書いた詩や言葉には、自閉症や小児麻痺で非常に困難な状況にある人たちへ向けたものもあります。また、お話しを読むことについても、私はずっと考えてきました。今でも、これについて考えています。単純に楽しむ目的でお話を楽しむことは、尊厳に関わることでもあるのです。あの子たち、つまり福祉施設の子どもたちに、私は多くの恩があると思っています。

 

オルガは私に話してくれました。「喫茶店にいった時など、本はマヌエルの注意を引きつけるのにも役立っています。本を読むと、物語に集中しています。それがどんなに意味のあることか。さらに本は、彼を取りまく世界の認識を広めるためでもあります。けれど何よりもまず、私が本を楽しむように、どんな子もお話を楽しむように、彼にも楽しんでもらえたらと思うのです。なぜなら、それはすべての人々にある権利のようなものだと思うのです。」

 

マヌエルは、地元ではみんなから知られています。オルガは、自分の話をブログで伝えてきました。当初、自閉症の子どもは他にいないと思っていたのですが、他にもいることが分かりました。自閉症の子たちの親が彼女のブログに訪問し、彼女の話を知ることで、寄り添ってもらえる気持ちになれるのです。彼女のブログは誠実な語りで、そうあるべきだということを探すものではなく、自閉症と身近に暮らすということが書かれています。 最後に喫茶店で、私たちにはお互いにやるべきことがたくさんあるという話で終わりました。自閉症について知ること、そして彼らに通じる読書というものについて。今はまだ、はじまったばかりです。マヌエルや他の子どもたちのために、するべきことはたくさんあります。もちろん私たちにとっても、自分たちの世界に様々な人がとけこんでいくにつれて、本当に豊かな世界になっていくのです。次の土曜日、私はマヌエルに会いにいきます。5つの言葉以内で書かれたお話を持っていく約束をしています。それは、もうすぐ始まる春についてのお話。

 

 

■作者について:

文:マリア・ホセ・フェラーダ 1977年、チリのテムコ生まれ。ジャーナリスト、作家。子ども向けの本を多く手がけ、作品はさまざまな国で出版されている。日本と日本文学が大好きで、スペインのバルセロナ大学アジア太平洋研究科修士課程を修了、源氏物語のスペイン語翻訳に関する論文を執筆した。チリ言語アカデミー賞、オリウエラ市子どものための詩賞など受賞歴多数。チリ軍事政権下で連れ去られ行方不明になった子どもたちへ捧げた本『こどもたち』は、2016年の国際児童図書評議会(IBBY)オナーリスト(文学作品部門)にも選ばれている。『いっぽんのせんとマヌエル』は、初めての邦訳本である。

 

絵:パトリシオ・メナ 1980年生まれ。絵本作家、イラストレーター、漫画家。チリで生まれ育ち、現在はスペインのバルセロナで暮らしながら執筆やイラストの仕事を手がける。チリで出版した本は作、または絵のいずれかのみだったが、最近は作・絵ともに手がけたものもある。作品はアメリカ、メキシコ、中国などで出版されている。チリ政府クリエイティブ奨学金を二度受賞、イタリアのボローニャブックフェアではチリ公式代表団にも選出。最近はバルセロナの図書館をめぐりながら新たな絵本プロジェクトを準備中。

 

 

 

 

マヌエルチラシマヌエルチラシ裏

 

 

 

 

 

 

| 06:46 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『いっぽんのせんとマヌエル』出版記念交流会のお知らせ

チリ発の絵本『いっぽんのせんとマヌエル』(8月下旬発売予定)の刊行を記念して、著者マリア・ホセ・フェラーダさんと、画家パトリシオ・メナさんのウェルカムパーティが開催されます。

 

この絵本は、著者のマリアさんが、「線」が好きな自閉症の男の子マヌエルくんと知り合ったことによって生まれた絵本です。日本版には、文字やお話の内容の理解の助けとなる「ピクトグラム(言葉を絵で表現した絵文字)」がついています。

 

どなたでも参加できますので、お気軽にお問合せください。

 

 マリアホセさん写真  

 

日時: 2017 年 9 月 4 日(月) 
18:30−20:30 (開場 18:00) 
場所: 川崎汽船株式会社 15 階 KLINE CAFÉ 
東京都千代田区内幸町 2-1-1 
会費: お一人様 4,000 円 
※記念品として本がつきます。

 

お問い合わせ先:
日本チリ協会 事務局
andes@krc.biglobe.ne.jp

| 15:54 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『トマスはどこ?』ペルー人作家ミカエラ・チリフの絵本

トマスはどこ?  トマスはどこ?No.2 

 

 

タイトル: トマスは、どこ?(¿Dónde está Tomás?

出版社:エカレ・スール社(Ediciones Ekare Sur

出版念:2016年

文 : ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif 

絵:レイレ・サラベリア (Leire Salaberria)

対象年齢:3 才〜

 

 概要(出版社ブログから)

トマスは、かくれんぼが だいすき。「トマスはどこ?」 ママが家のなかを あちこちさがしているあいだ、トマスははるか遠い世界へイマジネーションの旅をしています。かいじゅうのおもちゃは、火山の噴火の中でかいじゅうたちを眺める台地へトマスを連れていき、ユニコーンのおもちゃとゴリラの時計は、ユニコーンに乗りゴリラたちのいるジャングルへ、バケツは月旅行へ向かう宇宙飛行士のヘルメットに、鳥の絵のシャワーカーテンは南の島へ向かう鳥の群れとなり、さいごはなんとベッドカバーにいたたジャガーとおしゃべりを楽しんで…。

 

「トマスはどこ?」と繰り返されるたびにトーマスが体験するイマジネーションの旅は、レイレ・サラべリアの色鮮やかな見事なイラストで描かれています。彼女のイラストは身の回りにある身近なモノに親しみを湧かせるだけでなく、冒険の旅の楽しさも読者に伝えてくれます。

 

 

この絵本は、子どもたちにとって想像の船に乗ってトマスと旅する遊びの絵本でありながらも、大人たちもまたこの絵本の凝ったしくみに驚かずにはいられないでしょう。現実と想像の世界を行き来し、かくれんぼから始まるちょっとした目配せからダイナミックな遊びへ繋がっていきます。夢と現実が入り交じる(日常と非日常が融合する)『魔術的リアリズムMagishcer Realismus』の魅力に触れる作品です。

 

 

 

 

あらすじ

トマスは、かくれんぼが だいすき。いたずらっこのトマスのかくれ場所は台所、洗濯場、トイレ、ベッドの中、おもちゃ箱・・・。ママが家中をあちこち探しまわっている間、トマスは想像の旅の真っ最中。大昔の火山の噴火をながめたり、ゴリラがくらすジャングルでユニコーンの背にのったり、宇宙飛行士になって宇宙を旅したり、南の島の空をとんだり、ジャガーとおしゃべりしたり・・・。

 

こんがりケーキが焼けた頃、とうとうママはおもちゃ箱の中にいたトマスを見つけました。トマスは身の回りにあるものにインスピレーションを受けてイマジネーションの旅をしていたのです。 ところが、夢を見ていたのは、どうやらトマスだけではなかったみたい・・・。

 

 

 

 

■ 作者について

文:ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif)

ペルー、リマ生まれ。詩人、絵本作家。子どもに関する文化プロジェクトのコーディネーターとして、ウェブサイトから書籍選集に至るまでさまざまなメディアで活躍。大人向けの詩集も出版している。

 

主な作品

詩集

2001年 『帰路で(De vuelta)』

2008年 『ありふれた空』

2012年 『枕に頭をのせて(Sobre mi almohada una cabeza)』

 

絵本

2008年 『アントニオさんとアホウドリ(Don Antonio y el albatros』ホセ・ワタナベ氏との共著

2008年 『おやすみなさい、マルティーナ(Buenas noches, Martina)』ホワイトレイブン選定

2010年 『ことばのかたちについて(En forma de palabras)』

2011年 『かるわざし(El contorsionista)』

2013年 『あさごはん(Desayuno)』ホワイトレイブン選定、ブラジルで翻訳出版される

2013年 『いいこにして、マストドン!(Ma's te vale mastodonte)』

第17回絵本コンクールで、「風の岸辺賞(A la orilla del viento)」受賞作品

 

絵:レイレ・サラベリア (LEIRE SALABERRIA)
1983年、スペインのアンドアイン生まれ。ビルバオの大学で美術を専攻、その後バルセロナの大学院で児童向けイラストレーションとグラフィックデザインを学ぶ。2012年ボローニャブックフェア入選、2013、2014年 イベロアメリカ・イラストカタログ入選、2014年 シャルジャ国際ブックフェア特別賞受賞。彼女の絵本はスペインをはじめメキシコ、イタリア等で出版されている。

 


  • おはなしのいちぶ

 

トマスは、かくれんぼが だいすき。

 

 

さて、どこにかくれたかな?

 

 

 

 

ママが、トマスをさがしています。

 

「トマス!トマス!」

 

 

 

 

でも、トマスには、きこえません。

 

だって、火をふく山がみえるから!

 

 

 

 

。。。

 

 

 

トマスったら、とおくへ いってしまったの?

 

 

 

ええ!トマスはとおいとおいところにいました。

 

月のまわりを、ふわふわうかんでいます。 

 

 

 

 

| 17:54 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
『南米の料理と文化と絵本。おいしいラテンアメリカ』

soup stock tokyo

 

 

絵本で語らう、おいしいラテンアメリカ。

絵本『まぼろしのおはなし』を手がかりに、ラテンアメリカについて、さぐっていきます。当日はラテンアメリカのレシピや物語にインスパイアされた特別なメニューが用意されています。


【おいしい教室 開催概要】 
■実施日程:2017年3月6日(月) 、7日(火)両日ともに19:30-21:30
■参加費:6,000円  (飲み物と料理、絵本「まぼろしのおはなし」1冊が含まれています。)
■定員: 10名
■場所: also Soup Stock Tokyo (オルソ スープストックトーキョー)
東京都目黒区自由が丘1-26-13 POOL  
■持ち物: なし

 

ラテンアメリカの料理を、お酒や絵本、音楽と一緒に堪能します。ご興味のある方は、こちらからどうぞ〜。

http://oishii20170307.peatix.com

 

 

| 21:41 | 日々のあれこれ | comments(0) | trackbacks(0) |
『おはなと おはなを くっつけて』 ーアルゼンチンの絵本ー

おはなとおはなをくっつけて

 

■    原書の情報

 

タイトル:おはなとおはなをくっつけて(Trompa con trompita)

 

文: ホルヘ・ルハン 絵:マンダナ・サダト

 

発行年:2016年 

 

出版社:Capital Intelectual 社(アルゼンチンの出版社)

 

スペイン語版の他、英語の翻訳出版も刊行されています。

 

 

 

■    概要

詩人ホルヘ・ルハンと画家マンダナ・サダトの素晴らしいコンビが手掛けた幼児向けの詩の絵本。おかあさんとこどもをテーマに、いろいろな動物が登場し、優しさと遊び心に富んだ素敵な世界を紹介しています。

 

 

■   作者について

 

ホルヘ・ルハン(Jorge Lujan)

 

作家、詩人、ミュージシャン。アルゼンチン・コルドバ生まれ。コルドバ大学建築学科を卒業。現在は、家族とともにメキシコシティーで暮らしている。世界の画家たちと絵本作りのワークショップを行い、その著作は世界中で刊行されている。1995年、アルゼンチン児童図書評議会(ALIJA)の「子どものための詩賞(el Premio de Poesia para Ninos)を受賞。2005年には、本書で、絵のマンダナ・サダトとともにメキシコ出版産業会議所の「編集芸術賞(el Premio al Arte Editorial)」を受賞した。

 

邦訳作品

 

2009年 『ふゆのゆうがた』 講談社(作:ホルヘ・ルハン、絵:マンダナ・サダト)

 

2014年『エステバンとカブトムシ 』 BL出版 (作:ホルヘ・ルハン、絵:キアラ・カッレル)

 

2016年『わんわんスリッパ 』 ワールドライブラリー (詩:ホルヘ・ルハン、絵:イソル)


 

 

■  画家マンダナ・サダト(Mandana・Sadat

 

http://www.mandana.fr/

 

絵本作家。イラン人の父親とベルギー人の母親との間にブリュッセルで生まれる。1996年ボローニャ国際絵本原画展で入選、クレティアンド・ド・トロワ賞を受賞。国際的に高い評価を得る。現在はパリに住み、絵本作家、イラストレーターとして活躍。

 

 

 

邦訳作品

 

2009年 『ふゆのゆうがた』 講談社(作:ホルヘ・ルハン、絵:マンダナ・サダト)

 

2010年 『ぼくのライオン』 新教出版

 

 

■ おはなしのいちぶ

 

おはなと おはなを くっつけて

 

アザラシのおかあさんと あかちゃん、

 

これが いちばん あったかい

 

もうふも いらないよ。


 

 

ママの め のなかに、ぼくがいる

 

ちっちゃな ぼくが みえる。

 

だから、ママは ぼくのこと

 

チビちゃん…ふくろうチビちゃんって よぶんだね。


 

 

サバンナの ゆうがた

 

ゾウのおかあさんが パオーンってなくと、

 

ゾウのあかちゃんが タンタンはしって かえってくる

 

おはなと

 

おはなを

 

くっつけて

 

ゾウのおかあさんと あかちゃん。

 

 

| 16:10 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
雑誌 『詩と思想』10月号で、「ペルーの日系詩人ホセ・ワタナベの詩」を執筆しました。

詩と思想10月号

 

詩と思想 ホセ・ワタナベ詩と思想 ホセ・ワタナベ

 

 

詩の雑誌『詩と思想』10月号で、「ペルーの日系詩人ホセ・ワタナベの詩」を執筆しました。どこかでお手にとる機会がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。😊

 

Escribí el artículo "Poesía de José Watanabe, poeta Nikkei peruano" en la revista mensual "Poesía y Pensamiento". Espero que se conocieran más sus obras en el Japón!

 

 

Me alegro de informarlo a la familia de José Watanabe, Tilsa Watanabe, Issa Watanabe, y agradezco mucho por enviar las fotos, Micaela Chirif y Maya Watanabe!! Muchas gracias!!

 

| 15:03 | 日々のあれこれ | comments(0) | trackbacks(0) |
くさりにつながれたゾウ 〜スペインの絵本〜

el elefante encadenado

■ 原書の情報

タイトル:くさりにつながれたゾウ(EL ELEFANTE ENCADENADO

文:ホルヘ・ブカイ (JORGE BUCAY) / 絵:グスティ(GUSTI)

出版社:SERRES社/スペインの出版社 (メキシコでも出版されている。)

 

2010年、IBBYスペインのイラスト部門での優良図に選定

 

■ 本書について

あきらめない気持ちを持つ大切さを問うおはなし。

 

■ 概要

「どうしてゾウのようにおおきな動物が、サーカスがおわると、ちっぽけなくいに つながれたままでいるの?」 男の子の疑問に、答えられる人は誰もいません。ところがある日、賢者が答えを見つけてくれます。サーカスのゾウがにげないのは、小さな頃からずっとくさりにつながれていたからだ、と。

 

男の子は気づきます。サーカスでみた おおきなちからづよいゾウが、どうして、くさりにつながれたままでいるのか。それは、杭につながれたまま、もう けっして自由になれないって、自分で決めつけてしまったからなのだと。どうせできっこない、そんな失敗した記憶をひきずって、自分の力を決して試そうとしなかったんだと。

 

男の子は、夢の中で、そっとゾウに近づいて、耳元でささやきます。「ねえ、しってる?きみはぼくにそっくりだよ。じぶんはできないことがたくさんあるっておもってるでしょ。でもね、ずっとまえ、たった1かいできなかっただけ。あれからずいぶんじかんは たったんだよ。もう、きみはおおきくなって、むかしよりずっとちからもちなんだ。ほんとうに自由になりたかったら、できるんだ。ほんとうさ。なぜ、やってみようとしないんだい?」

 

 

アルゼンチン出身のベストセラー作家とスペイン在住のアルゼンチンイラストレーターのコンビの作品。

 

 

■ 作者について

ホルヘ・ブカイ
1949年アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。医師精神病理学)、ゲシュタルト・セラピスト、心理療法劇作家。ゲシュタルト療法を基にした独自のセラピーを展開し、講演やセミナーを開催するなど国内外で幅広く活動。その著作はスペイン語圏で大ベストセラーとなり、各国語に翻訳されている 

 

邦訳作品

2005年 『寓話セラピー―目からウロコの51話 』めるくまーる

 

2009年 『御者エル・コチェーロ ― 人生の知恵をめぐるライブ対話』新曜社 共著

 

グスティ

1963年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。スペイン及びラテンアメリカ諸国の第一線で活躍するイラストレーター兼絵本作家。彼の作品は20カ国以上の国で出版され、BIB金のりんご賞、スペイン国民イラスト賞、ミュンヘン国際児童図書館の優良図書推薦リストやIBBY障害児図書資料センター推薦図書リストに選出されるなど国際評価も高い。また、南米アマゾンの先住民と生活を共にしたり、オウギワシの生態調査や、絶滅危惧種であるスペインオオヤマネコの保護プロジェクトに関わる等、さまざまな活動にも参加している。バルセロナ在住。

 

邦訳作品

『なかよくなんかならないよ』文出版局2000年4月

文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ

 

こいぬのテントシリーズ(文:リカルド・アルカンターラ、絵:グスティ)

『テントとおともだち』ポプラ社 2002年2月

『テントのちいさなはな』ポプラ社 2002年2月

『テントはあかちゃんじゃないよ』ポプラ社 2002年5月

『テントとまねっこおばけ』ポプラ社 2002年5月

『テントがとってもこわいもの』ポプラ社 2002年6月

『テントのガールフレンド』ポプラ社 2002年6月

 

『ハエくん』(作、絵:グスティ)フレーベル館 2007年

『はらぺこライオン エルネスト』 ワールドライブラリー 2016年

 

 

 おはなしのいちぶ

 

ちいさかったころ、

 

ぼくは サーカスのまほうの せかいが

 

だいすきだった。

 

まちからまちへ、サーカスのいちだんが たびをする。

 

わくわくしながら、ぼくはどうぶつにちかづいた。

 

すこしでも、ちかくで みていたかったから。

 

 

なかでも、ゾウのショーは

 

ぼくの いちばんの おきにいりだった。

 

・・・・・・・

 

サーカスのゾウがにげないのは、

 

とっても ちいさなときから、

 

ずっと くさりに つながれていたからなんだ。

 

・・・

 

「ねえ、しってる?きみは ぼくに そっくりだよ。

 

じぶんは できないことが たくさんあるって おもってるでしょ。

 

でもね、ずっとまえ、たった1かい できなかっただけ。

 

 

 

| 09:16 | スペイン語の本 Libros españoles | comments(0) | trackbacks(0) |
「あべ弘士の動物王国展ー生命はぐるぐるまわっているー」へ行ってきました。

あべ弘士動物王国展1あべ弘士動物王国展2

 

今にも動き出しそうなイキイキとユーモラスいっぱいに描かれた動物たち。アフリカの草原を行くライオンの親子『ライオンの よい いちにち〔2001年;佼成出版社〕』オオカミとヤギの友情を描く『あらしのよるに〔1994年講談社〕』、北極の海を渡るカオジロガンの家族『新世界へ〔2012年;偕成社〕』。鮮やかな色合いでリアリズムにそしてユーモラスたっぷりに描かれた動物たち「あべ弘士の動物王国展」で、「生命はぐるぐるまわっている」を実感してきました。

 

 

あべ弘士

北海道旭川市に生まれる。1972年から25年間、 旭山動物園の飼育係として勤務。1981年『旭山動物園日誌』で日本画家としてデビュー。1995年『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、1999年『ゴリラにっき』で小学館児童出版文化賞、2000年『ハリネズミのプルプル』シリーズで赤い鳥さし絵賞など受賞多数。〔あべ弘士の動物王国展チラシより抜粋〕

 

 

 

2階【絵本ねぶた】

 

 

あべ弘士動物王国展3あべ弘士動物王国展4あべ弘士動物王国展5あべ弘士動物王国展6 

 

「うわぁ」、「すごーい」、「きれーい」

 

部屋の入り口で、思わず感嘆の声を漏らさずにはいられません。幻想的な世界で厳粛な気持ちになるのは、教会のステンドグラスを見ているような気持ちになるからかなぁ・・・。あべさんがおじい様の故郷の青森県を訪れた時、ねぶた祭りの絵を描いてみたいと思ったのだそうです。ねぶたの絵の技法を用いて、弘前市の金剛山最勝院の本堂で5日間こもって「絵本ねぶた」を制作したとのこと。絵の迫力と動物のユーモラスな表情がたまりません。

 

 

1階【野生王国とフラミンゴ】

 

あべ弘士動物王国展7あべ弘士動物王国展8

フラミンゴの群れは夕焼け雲みたい。透明フィルムに描かれたアフリカの3次元の世界。《空と砂漠の動物たちとフラミンゴの群れ》は、逆さまにしたら《夕焼け空と砂漠の動物たちと海》のように見えるかも・・・。

 

 

 

 

『新世界へ』の原画と『こんちき北極探検記』の北極の旅の紹介。

あべ弘士動物王国展13あべ弘士動物王国展18

 

力強い黒と紺のコントラストがいっそう迫力ある絵になっています。

 

 

 

『ライオンのよいいちにち』の原画

 

あべ弘士動物王国展14

 

ライオンはただ、子どもと散歩するのが好きなだけ。特別視する周囲の言葉にはっとします。夜のサバンナの星空に映える赤いライオンのたてがみがキレイ。

 

 

 

 

『あらしのよるに』の原画

 

あべ弘士動物王国展17

 

ハラハラしながらページをめくった絵本だったのを思い出します。オオカミは、おいしそうなふわふわしたヤギのおしりを前に心がゆれないわけありません。でも、友情は食欲を超えるんです。

 

 

動物たち

 

 

あべ弘士動物王国展12あべ弘士動物王国展9あべ弘士動物王国展10

 

 

あべ弘士さんの描く動物たちはどれも素晴らしいのですが、特に獲物を捕らえようと構えたトラの絵は迫力満点で素晴らしい。
 

 


 

 

 

 

「Kawaiiちひろ展」も同時開催中です。


 

 

「ふしぎかわいい」ちひろさんの世界。ちっちゃくて美しい色彩の絵の数々です。

 

「しゃぼん玉をふく少女」、昔、カレンダーにあったなあ・・・と思い出しました。

 

 

 

 

 

ご興味のある方は、ぜひぜひ!

 

●展示室内は撮影禁止ですが、ブロガー特別鑑賞週間に当選したため、特別に撮影許可が下りています。

 

 

 

あべ弘士の動物王国展

 

ちひろ美術館 東京 2016年8月11日(木・祝)〜11月6日(日)

 

| 22:29 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
2016年 夏の絵本展示会+フリーダ・カーロ

ボローニャ2016

ボローニャ国際絵本原画展

板橋美術館:http://www.itabashiartmuseum. jp/itabi-sp/

 

素敵な絵だと思ったのは、スペイン人の画家サンドラ・ナバーロ(Sandra Navarro)さんの絵、イタリア人の画家フィリップ・ジョルダーノ(Philip Giordano)さんの絵、日本人の画家たけうちちひろさんの作品などなど。ボローニャ・ラガッツィ賞、フィクション部門のWinnerはスイスの作品 “MON TOUT PETIT(ちいさないとしいきみへ)”

これは泣けます。http://www.lajoiedelire.ch/livre/mon-tout-petit/

 

 

世界の絵本展

世界の絵本展

http://www.city.itabashi. tokyo.jp/c_oshirase/077/077731 .html

 

ボローニャから届いたいろいろな国の絵本と「世界のともだち」シリーズ(偕成社刊)など、世界の子どもの暮らしを紹介する本が展示。『とびきりおかしないぬ』と『まぼろしのおはなし』も展示していただいています。

 

 

大人になってからの絵本

Cafe &Gallery Patina

http://cafepatina.wix.com/rabb it

 

「柔らかな絵本しか知らないなんてもったいない。ホッと和みたいような時だけのために、絵本がある訳ではない。人には感情がある。表と裏の顔があり、甘くまどろむような時があれば、スパイスが効いている時もある。そして、その時々の感情に寄り添ってくれる絵本がある」

 

板橋ボローニャこども絵本館の浅妻とも子さん選書の「大人になってからの絵本」がCafe & Gallery Patinaにて展示されています。『まぼろしのおはなし』も飾って頂いています^ ^

 

 

BIB2016

ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)

2016年7月9日-8月31日

http://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/index.html

 

うらわ美術館からスタート。BIB50周年を記念した日本の絵本50年史が原画と絵本で紹介されています。ミロコマチコさんのはじけるようなレモン色の画、樋勝朋巳さんの『今日はマラカスのひ』に登場するクネクネさんのタイツ姿のシュールでキュートな原画、松本大洋さんの『かないくん』の絵の儚さ・・・などなど一見の価値ありです^ ^

 

 

フリーダ・カーロのドキュメンタリー映画と個展

 

フリーダ

ドキュメンタリー映画「フリーダカーロの遺品 石内都 織るように」8/13-8/26(金)まで、渋谷アップリンクにて。

小谷監督の映像に圧巻。http://www.uplink.co.jp/movie/ 2016/44599

 

 

frida

資生堂ギャラリーにて「石内都展 Frida isも開催中。・・・

こちらは2016年6月28日(火)―8月21日(日)まで。http://www.shiseidogroup.jp/ga llery/

 

| 01:35 | 日々のあれこれ | comments(0) | trackbacks(0) |
南米の子どもたちが学ぶムンド・デ・アレグリア学校〜静岡県浜松市〜

ムンド・デ・アレグリア学校は、静岡県浜松市にある南米系外国人学校です。現在200名ほどの子どもたちが学んでいるそうです。創立者で校長の松本雅美さんが、この学校を立ち上げるまでの頑張りにはもう、だたただ脱帽です。

 

私がこの学校のHPを読んで何より素晴らしいと思うのは、学校の理念・目標が非常に具体的で明確であることです。母国語で学べることで子どもたちは、どんなにか安心できるでしょう。母国語政府の認定を受けているので、帰国後もスムーズに学校へ編入ができますし、卒業すれば母国で大学進学も可能だそうです。もちろん日本語教育にも力を入れていて、スピーチコンテストや漢字道場などのカリキュラムが充実しています。

 

2分で分かるムンド・デ・アレグリア学校の歩み 

 

 

松本校長先生にはいつかお会いしたいと思っていて、この間ぐうぜんにお会いすることができました!笑顔が素敵で気さくでアクティブで、キラキラのオーラがありました。動画や写真などで学校の子どもたちがどの子も活き活きしているのが納得できました。ムンド・デ・アレグリア学校、これからも応援しています!

 

 

ムンド・デ・アレグリア学校

ペルーの絵本『いいこにして、マストドン!』と『とびきりおかしないぬ』 をお送りさせて頂きました。

外国籍の子どもたちが母国の絵本に親しんでくれるとしたら、これほど嬉しいことはありません。

 

 

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